豪GDP、第1四半期は予想下回る+0.2% 追加緩和の必要性示す

オーストラリア統計局が4日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.2%増と、市場予想の0.4%増を下回り、わずかな成長にとどまった。ショッピングモールの外を歩く人々。2024年5月シドニーのビジネス街で撮影(2025年 ロイター/Jaimi Joy)
Stella Qiu Wayne Cole
[シドニー 4日 ロイター] - オーストラリア統計局が4日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.2%増と、市場予想の0.4%増を下回り、わずかな成長にとどまった。消費者の節約志向が続いたほか、昨年の経済をけん引した政府支出が停滞したことが背景で、追加景気刺激策の必要性が浮き彫りとなった。
家計消費は0.4%の微増。借入コスト低下やインフレ鈍化にもかかわらず、GDP成長率を0.2%ポイント押し上げるにとどまった。政府支出は2017年以降で最大のGDP押し下げ要因となった。
オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアのリードエコノミスト、ベン・ウディ氏は「豪中央銀行は経済活動の低迷が第2・四半期も続くことを示すさらなる兆候を注視するだろう。そのような証拠が積み重なれば、7月に追加利下げを選択するかもしれない」と述べた。
前年比のGDP伸び率は1.3%で、前期から変わらず。市場予想の1.5%に届かなかった。「正常」と見なされていた2.5%を大きく下回っている。
消費よりも貯蓄を選ぶ消費者動向を背景に家計貯蓄率は5.2%に急上昇。22年第3・四半期以来の高水準となった。
スワップ市場では、7月の利下げ確率は80%。来年序盤までの緩和幅は計約100ベーシスポイントになると織り込まれている。
統計局は「異常気象が国内の最終需要と輸出を減少させた。天候の影響は特に鉱業、観光業、海運業で顕著だった」と指摘した。
内需デフレーターは昨年第4・四半期の3.5%から3.3%に減速した。
時間当たり生産高は前期比で横ばい、前年比では1%低下した。