最新記事
減税案

米議会予算局がトランプ肝入りの大型減税法案にダメ出し――低所得者給付削減でも債務激増、減税は富裕層に

GOP Budget Would Explode Debt by $2.4 Trillion While Taking Healthcare From 11 Million: CBO

2025年6月6日(金)06時52分
ジェイク・ジョンソン
マスクとトランプ

トランプと蜜月だったマスクも「こんな法案は廃案にせよ」と呼びかけている  ロイター(Reuters Japan)/YouTube

<減税の恩恵のほとんどは超富裕層へ。その財源は低所得者向け医療保険の削減などで賄われ、しかも連邦債務は大きく膨らむ。こうした政策に反対していた上院共和党議員の出方が注目される>

*This story originally appeared in Common Dreams on May 25, 2025. It is shared here with permission under a Creative Commons (CC BY-NC-ND 3.0) license.

超党派の米議会予算局(CBO)は6月4日、連邦議会下院を通過した共和党の大型税制・歳出法案(通称トランプの「大きい、美しい法案」について、前例のないメディケイド(低所得者医療保険制度)や栄養支援プログラムの給付削減を考慮に入れても、連邦政府債務を2兆4000億ドル増加させることになるとの試算を発表した

【動画】イーロン・マスクが激怒する理由

同試算によればこの法案は3兆7500億ドルの大規模な減税を実施する内容で、その恩恵の多くは富裕層に偏っている

この減税が政府債務に及ぼす影響は、メディケイドや医療費負担適正化法(ACA、通称オバマケア)、補助的栄養支援プログラム(SNAP)およびグリーンエネルギー関連のプログラムの縮小によって一部は相殺されるが、それでは到底賄えない。

CBOはまた、ドナルド・トランプ米大統領が支持する同法案が法律として成立した場合、約1090万人が医療保険を失うことになると予測している。

米医療擁護団体「プロテクト・アワ・ケア(私たちの医療を守ろう)」の広報ディレクターであるアニー・シュープはCBOの試算を受けて、次のようにコメントした。「共和党は超富裕層のために大幅な減税を行い、そのために約1100万人から医療保険を奪おうとしている(ACAの税控除も廃止されればその数は1600万人にのぼる)。その上でさらに、政府債務を2兆4000億ドルも増やすことになるのだ」

メンバーシップ無料
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、カーグ島の軍事目標「完全破壊」 イランは石油施

ワールド

米で「アンティファ」メンバーに有罪判決 初のテロ罪

ビジネス

パウエルFRB議長巡る召喚状、地裁が差し止め 司法

ワールド

焦点:雪解けは本物か、手綱握りなおす中国とロシア向
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切りは常軌を逸している」その怒りの理由
  • 3
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド太平洋防衛
  • 4
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 5
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 6
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 7
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 8
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 9
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 10
    謎すぎる...戦争嫌いのMAGAがなぜイラン攻撃を支持す…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中