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NY外為市場=ドル、対ユーロで下落 ECBが緩和サイクル終了示唆

2025年06月06日(金)06時02分

終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで下落した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 5日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで下落した。欧州中央銀行(ECB)はこの日行われた理事会で、1年にわたる金融緩和サイクル終了の可能性を示唆した。また、関税政策による経済的な逆風が高まる中、米労働市場の軟化を示唆する経済データが材料視された。

ECBは5日、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げ、預金金利を2.00%とした。

ECBのラガルド総裁は理事会後、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)やウクライナ戦争、エネルギー危機など複合的なショックに対応してきた金融政策サイクルは終わりに近づいているとの見方を示した。

ユーロは対ドルで0.18%高となった。一時、6週間ぶりの高値となる1.1495ドルまで上昇した。

スコシアバンクの首席FXストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「ラガルド総裁がECBの利下げサイクルが終了に近づいていると述べたことを受けて、ユーロ/ドルは上昇した」と指摘。「これは、ドルに対する全体的な市場心理の軟化を反映しており、あすの雇用統計発表まで続く可能性がある」と述べた。

米労働省が発表した5月31日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)が昨年10月以来7カ月ぶりの高水準に達し、労働市場の状況が軟化が示されたこともドルの圧迫要因となった。

ドルは対ユーロでは弱含んだものの、円やスイスフランなどの安全通貨に対しては小幅上昇。

ドルは対円で0.51%高の143.49円。対スイスフランでは0.16%高の0.819フランとなった。それでもドルは、年初来では両通貨に対して依然として約9%下落している。

主要通貨に対するドル指数は0.09%安の98.71。

ポンドは対ドルで0.11%上昇した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは終盤にかけて下落幅を拡大し、2.5%安の10万2061.52ドルとなった。

ドル/円 NY終値 143.52/143.57

始値 143.13

高値 143.97

安値 142.79

ユーロ/ドル NY終値 1.1444/1.1446

始値 1.1423

高値 1.1494

安値 1.1414

ロイター
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