インドネシアが新たな電力供給計画を発表、石炭火力段階廃止は後退
[ジャカルタ 26日 ロイター] - インドネシアのエネルギー省は26日発表した新たな電力供給計画で、2025―34年に2967兆ルピア(1830億ドル)超を投じて発電容量を69.5ギガワット(GW)増やす目標を盛り込んだ。
目標とする発電容量の拡大は21─30年に40GW程度としていた従来計画から引き上げ、増加分の大半を再生可能エネルギーで賄う方針。一方、石炭火力発電については新規の発電所建設を容認する方向に転換し、段階的な廃止を見込んだ従来の計画から後退した。新設の石炭火力発電所は33年までに商業運転を始める見込み。
バフリル・エネルギー・鉱物資源相は記者会見で「石炭を違法なコモディティー(商品)とみなすべきではない。必要であれば利用に問題はない」と言及。石炭は信頼できるベースロード電源であり、温暖化ガス排出量の削減には二酸化炭素回収技術(CCS)を活用すべきだとも述べた。
新たな電力供給計画によると、国営電力会社PLNが発電所新設に568兆ルピア近くを投資するほか、政府が投資家に1566兆ルピア超の投資機会を提供する。
発電容量は再生可能エネルギーで42.6GWの増加を見込んでおり、内訳は太陽光17.1GW、水力11.7GW、風力7.2GW、地熱5.2GWで、エネルギー貯蔵分として10.3GWを予定している。
また、スマトラとボルネオ地区で建設予定の原子力発電所で0.5GWの供給も見込んでおり、最初の原発が32年に稼働を開始する見通しだ。