米イラン核協議「順調」で、イラン核施設攻撃を焦るネタニヤフ
Trump Says Iran Strike Would Be 'Inappropriate' for Israel Amid Talks

外交による核合意がイランの核施設を温存するものなら合意前に破壊したいネタニヤフ(5月21日、エルサレム) REUTERS/Ronen Zvulun
<新たな核合意へ明るい兆しも見えるので、「いま攻撃はするな」とトランプもネタニヤフを牽制したが、それでもやりかねないと懸念が渦巻いている>
ドナルド・トランプ米大統領は5月28日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相にイランへの軍事行動を延期するよう求めた。現在アメリカがイランと行っている核協議に明るい兆しも見えており、今攻撃を行えばそれが台無しになる。
だがイランの核施設の破壊に固執するネタニヤフは、最近関係が悪化しているとも言われるトランプの忠告に耳を貸さない可能性がある。
トランプはホワイトハウスでの記者会見で、「解決策に非常に近づいているため、現時点で行動を起こすのは不適切だと彼に伝えた」と述べた。
だがイスラエルは、アメリカが核開発をめぐってイランと新たな合意に達した場合でも、イランの核施設に対する攻撃は敢行すると断言している。ネタニヤフは、イランがウラン濃縮を継続できるようないかなる合意も受け入れないとしているからだ。
イスラエルが攻撃を強行すれば、アメリカとの同盟関係に大きな亀裂が入ることになるだろう。
28日にホワイトハウスで記者団から、ネタニヤフに対して新たな核合意の妨げになる行動は取らないよう警告したのかと問われ、トランプは「警告」とは捉えていないがイランとの協議に進展がみられるこの段階でイランを攻撃することは「適切ではない」とネタニヤフに伝えたという。