トランプ大統領、下院議長に富裕層への課税強化求める=関係者

トランプ米大統領(写真中央)は5月7日、ジョンソン下院議長(同右)に個人的な電話をして、富裕層向けの増税や、「キャリードインタレスト」と呼ばれるウォール街投資家の報酬に適用される税制優遇措置の撤廃に動くよう促した。ホワイトハウスで2月撮影(2025年 ロイター/Leah Millis)
[ワシントン 8日 ロイター] - トランプ米大統領は7日、ジョンソン下院議長に個人的な電話をして、富裕層向けの増税や、「キャリードインタレスト」と呼ばれるウォール街投資家の報酬に適用される税制優遇措置の撤廃に動くよう促した。事情に詳しい2人の関係者が8日明らかにした。
下院の多数派を握る与党共和党は、2017年のトランプ第1次政権時代に成立させた大型減税の延長やチップ、残業手当などへの課税廃止を進めながら、連邦債務が過剰に膨らまないようにするための道筋を巡って、党内合意を形成することに苦戦している。
トランプ氏はこれらの財政措置を整合的で包括的な一本の法案にしてほしいと要望しており、議会共和党は来週後半までには具体的な法案の取りまとめを終え、26日のメモリアルデー前の可決を目指す構えだ。
関係者の1人の話では、トランプ氏は単身で250万ドル、世帯合計で500万ドル以上に課す所得税の税率を37%から39.6%に引き上げたい意向。別の関係者は「これは中間層や労働者の減税財源確保や、メディケイド(低所得者向け公的医療保険)を守ることに役立つ」と指摘した。
トランプ氏支持者は共和党に対して富裕層への課税を強化するよう迫っている。ただジョンソン氏など議会共和党指導部はこれに難色を示しているほか、ベセント財務長官も先週、トランプ氏は富裕層への増税案を考えていないと発言していた。
現在検討されている法案は、大型減税の財源をメディケイド関連支出や環境分野の税控除廃止などで賄う内容で、党内中道派が反対している。