イラン最高指導者、米との協議「楽観も悲観もせず」 慎重に継続

イランの最高指導者ハメネイ師は15日、イランの核プログラムを巡る米国との協議について「過度に楽観的にも、悲観的にも見ていない」とした上で、今後の協議を慎重に進めていく姿勢を示した。2022年2月撮影(2025年 ロイター/Office of the Iranian Supreme Leader/WANA (West Asia News Agency)/Handout via REUTERS)
[ドバイ 15日 ロイター] - イランの最高指導者ハメネイ師は15日、イランの核プログラムを巡る米国との協議について「過度に楽観的にも、悲観的にも見ていない」とした上で、今後の協議を慎重に進めていく姿勢を示した。一部で浮上した核協議進展への期待にくぎを刺した格好。
イラン国営メディアによるとハメネイ師は議員との会合で、米国との協議について「過度に楽観的でも悲観的でもない」とし、「これまでに決定されたプロセスの一環で、その初期の段階がうまく実施された」と述べた。
今後の協議について、双方の「レッドライン(越えてはならない一線)」を明確に定義した上で、注意深く進めていく姿勢を表明。「協議で何らかの成果が得られる可能性もあるが、得られない可能性もある」とし、イランの運命が米国との協議に結び付けられることがあってはならないとの考えを示した。
イランと米国は12日にオマーンで協議を実施。イラン側はアラグチ外相、米側はウィットコフ中東担当特使らが参加し、双方が協議は「前向き」かつ「建設的」だったと評価し、19日に再度協議することで合意した。
トランプ米政権のウィットコフ中東担当特使はトランプ大統領が「持続可能で厳格かつ公正な合意を形成する」よう要請したと述べた。
「いかなる最終的合意も中東の平和、安定、繁栄の枠組みを設定するものでなければならない。つまり、イランは核濃縮と核兵器化計画を中止し、撤廃しなければならないということだ」とXに投稿した。
一部のイラン当局者は、米国製航空機の購入や米投資家に対するイラン経済の開放といった経済的インセンティブが合意に含まれる場合、実業家だったトランプ大統領にとって合意がより受け入れやすくなる可能性があると示唆している。
しかし、イランの宗教指導者らは、平和的核開発計画や通常ミサイル能力の廃棄といった要求は受け入れられないと公言。イランの複数の新聞も「根拠のない誇大宣伝」で国民の期待を膨らませることについて警告している。