ニュース速報
ワールド

イラン最高指導者、米との協議「楽観も悲観もせず」 慎重に継続

2025年04月16日(水)03時49分

イランの最高指導者ハメネイ師は15日、イランの核プログラムを巡る米国との協議について「過度に楽観的にも、悲観的にも見ていない」とした上で、今後の協議を慎重に進めていく姿勢を示した。2022年2月撮影(2025年 ロイター/Office of the Iranian Supreme Leader/WANA (West Asia News Agency)/Handout via REUTERS)

[ドバイ 15日 ロイター] - イランの最高指導者ハメネイ師は15日、イランの核プログラムを巡る米国との協議について「過度に楽観的にも、悲観的にも見ていない」とした上で、今後の協議を慎重に進めていく姿勢を示した。一部で浮上した核協議進展への期待にくぎを刺した格好。

イラン国営メディアによるとハメネイ師は議員との会合で、米国との協議について「過度に楽観的でも悲観的でもない」とし、「これまでに決定されたプロセスの一環で、その初期の段階がうまく実施された」と述べた。

今後の協議について、双方の「レッドライン(越えてはならない一線)」を明確に定義した上で、注意深く進めていく姿勢を表明。「協議で何らかの成果が得られる可能性もあるが、得られない可能性もある」とし、イランの運命が米国との協議に結び付けられることがあってはならないとの考えを示した。    

イランと米国は12日にオマーンで協議を実施。イラン側はアラグチ外相、米側はウィットコフ中東担当特使らが参加し、双方が協議は「前向き」かつ「建設的」だったと評価し、19日に再度協議することで合意した。 

トランプ米政権のウィットコフ中東担当特使はトランプ大統領が「持続可能で厳格かつ公正な合意を形成する」よう要請したと述べた。

「いかなる最終的合意も中東の平和、安定、繁栄の枠組みを設定するものでなければならない。つまり、イランは核濃縮と核兵器化計画を中止し、撤廃しなければならないということだ」とXに投稿した。

一部のイラン当局者は、米国製航空機の購入や米投資家に対するイラン経済の開放といった経済的インセンティブが合意に含まれる場合、実業家だったトランプ大統領にとって合意がより受け入れやすくなる可能性があると示唆している。

しかし、イランの宗教指導者らは、平和的核開発計画や通常ミサイル能力の廃棄といった要求は受け入れられないと公言。イランの複数の新聞も「根拠のない誇大宣伝」で国民の期待を膨らませることについて警告している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国11月鉱工業生産・小売売上高、1年超ぶり低い伸

ビジネス

防衛費増額、生産体制など国の要請に基づき対応=三菱

ワールド

焦点:ニューサム氏ら民主党有力州知事、「反トランプ

ワールド

チリ大統領選で右派カスト氏勝利、不法移民追放など掲
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中