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アングル:大干ばつから一転洪水リスク、アフリカの小国が苦しむ気候変動のツケ

2025年01月11日(土)08時07分

過去数十年で最悪の干ばつに見舞われたアフリカ南部の小国マラウイは、雨期が到来したことで今度は洪水や地滑りなどの災害に備えなければならない。写真は南部チクワワ地区で、トウモロコシ畑に農薬を散布する現地の農家。2018年3月撮影(2025年 ロイター/Eldson Chagara)

Charles Pensulo

[チクワワ(マラウイ) 9日 トムソン・ロイター財団] - 過去数十年で最悪の干ばつに見舞われたアフリカ南部の小国マラウイは、雨期が到来したことで今度は洪水や地滑りなどの災害に備えなければならない。南部チクワワ地区で農業を営むマクスウェル・ヌソナさん(50)は、干上がった川底に立ち、10年前もこの乾ききった砂地が集中豪雨によって激流へと一変した光景を思い出していた。

干ばつを悪化させたのは海面水温を上昇させるエルニーニョ現象で、こうした異常気象は地球の気候変動がもたらした公算が大きい。

そしてマラウイは雨を切望しているとはいえ、干ばつから解放されても別の危険がやってくる。逆に海面水温を低下させるラニーニャ現象が近く発生し、降水量が増大して洪水、土壌浸食、地滑りにつながる恐れがあるからだ。

ヌソナさんら農家も手をこまねいてきたわけではない。

川に沿って堤防を築き、石や植林でこれらを補強。「約10年前に3人が死亡した洪水の後でわれわれは解決策を見つけ出そうと決意した。すきやシャベルを使って川の流れを変えようとしたし、掘削機で150メートルの堤防を整備した。だが、この地区を襲ったサイクロン『アナ』と『フレディ』で流されてしまった」とヌソナさんは語る。

アナは2022年、アフリカで20年来最強とされたフレディはそのほぼ1年後、マラウイに襲来した。

現在もサイクロンシーズンが既に始まっており、昨年12月14日にはマラウイ国民の携帯電話には災害管理省からの警告音が鳴り響いた。サイクロン「チド」が接近し、豪雨と洪水の危険が生じたためだ。

同省からは、可能ならば高台に避難するようメッセージが送られた。アフリカ大陸東海岸沖のフランス領マヨットに大きな被害をもたらしたチドはその後マラウイを直撃し、少なくとも13人が死亡したほか、家屋を破壊し、多くの集落が食料と水、医薬品なしの状態に置かれた。

<雨が降っても問題>

マラウイは昨年3月、干ばつによって穀物の生育が大打撃を受け、人口の20%に当たる570万人前後が食料不安に見舞われたことで、非常事態を宣言した。

昨年終盤にはようやく雨が降り始めたものの、降ったら降ったで農業という生活手段が立ちゆかなくなった人々にさまざまな問題をもたらした。

11月には旧首都ゾンバ付近の地域が強風と豪雨に見舞われ、家屋が損壊したほか、干ばつに耐えて人々の食料になっていたマンゴーの樹をなぎ倒してしまった。

被災地近くで暮らす7児の母のハンナ・ウェティマさん(52)はトムソン・ロイター財団に「今年はこれまでで最も苦しい。私たちの(栽培していた)穀物が全て干ばつでだめになってしまったからだ」と語り、モロコシに似た野草の種を探してきて食料にしていると付け加えた。

<COP29で支援要請>

アゼルバイジャンで11月に開催された国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で、マラウイのウシ副大統領は、気候変動は「遠くの抽象的な事象」ではないと力説。洪水や干ばつ、予測不能な天候パターンはマラウイの人々の生活を混乱させ、将来世代の福祉を脅かしていると訴えた。

ウシ氏は「マラウイのような国にとって気候変動の影響は単に経済的なものだけでなく、極めて非人道的なものだ。破局的事態は食料安全保障や公衆衛生、インフラ開発を台無しにする上に、貧困を拡大させ、やっと手に入れた開発の成果も損なわれる」と述べた。

またCOP29で合意された年間3000億ドルの貧困国向け気候変動対策支援目標についても、ぜい弱な国が確実に利用できるようにするべきだと付け加えた。

マラウイでは氾濫しやすいシレ川流域の災害対策担当責任者を務めるダニエル・マンダラ氏が、具体的な計画を見直して備えを進めている。

当局は地域住民に、雨が最も激しくなる前に安全な場所に移るよう警告しており「事後処理よりも被害を予防するのが得策だ」と同氏は説明した。

ただ洪水の規模がどんどん大きくなっており、一部住民が早期警報に基づいて高台に避難するのを嫌がっている点が課題だという。

ロイター
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