ニュース速報
ワールド

情報BOX:韓国大統領の命運握る憲法裁、弾劾可決受け最終審理へ

2024年12月14日(土)18時30分

 韓国国会は14日の本会議で、戒厳令宣布を巡り野党が提出した尹錫悦大統領に対する2度目の弾劾訴追案を採決し、賛成多数で可決した。12日撮影。大統領府提供写真(2024年 ロイター)

Joyce Lee

[ソウル 14日 ロイター] - 韓国国会(定数300)は14日の本会議で、戒厳令宣布を巡り野党が提出した尹錫悦大統領に対する2度目の弾劾訴追案を採決し、賛成多数で可決した。

今後は憲法裁判所が尹氏を罷免するか復職させるかについて審理する。尹氏の命運を握る憲法裁について以下にまとめた。

<今後の手続き>

尹氏の大統領権限は停止されたが、内乱などを除く大半の罪から免責されたまま大統領としてとどまる。一方で、韓悳洙首相が大統領代行として職務を引き継ぐ。

憲法裁は180日以内に、尹氏を罷免するか弾劾訴追を棄却して権限を回復するかを決定しなければならない。裁判所が罷免するか、尹氏が辞任した場合、60日以内に大統領選挙が実施される。

尹氏の弁護団はまだ発表されていないが、検事出身という経歴から、元同僚に依頼するか、自ら弁護する可能性もあると報じられている。

<判事の空席>

韓国の憲法によると、弾劾された大統領の罷免には判事6人の支持が必要。憲法裁判事の定員は9人だが現在3人の空席があるため、尹氏が罷免されるには判事全員が賛成しなければならない。

空席となっている判事の任命は国会の手続きが必要だが、与野党は現時点で人事を巡り合意していない。

多数を占める最大野党「共に民主党」は空席を埋めるよう求めているが、尹氏が指名した韓首相は野党が指名する判事を拒否することはないとみられている。

共に民主党の報道官は20日、国会は年内に判事を指名する予定だと述べた。

<過去の憲法裁審理>

韓国で弾劾によって罷免された大統領は2017年の朴槿恵氏のみ。この時、憲法裁は3カ月かけて判断を下した。

現在の6人の判事のうち2人は4月に任期を迎えるが、法律の専門家らによると、憲法裁はそれ以前に判断を下す可能性があるとみられる。ただ法学関係者は、憲法裁は政治的な判断ではなく、憲法解釈に基づいてケースバイケースで審理するという。

保守政党の大統領だった朴氏の弾劾では、保守派とみられた判事や朴氏自身が任命した判事2人を含め、全会一致で罷免を決定した。

また、尹氏は非常戒厳宣布に関連した犯罪捜査にも直面している。起訴された場合、憲法裁に弾劾審理を一時停止するよう求めることができる。ただ朴元大統領の審理では、同様の要求は却下された。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米3月雇用者数17.8万人増、過去15カ月で最多 

ワールド

トランプ氏、ホルムズ海峡「時間あれば開放できる」 

ビジネス

為替の動きは石油市場に引きずられている、法的に可能

ワールド

中国、馬興瑞・党政治局員を「規律違反」で調査 10
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 7
    『ナイト・エージェント』主演ガブリエル・バッソが…
  • 8
    中国は「アカデミズムの支配」を狙っている? 学術誌…
  • 9
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 10
    満を持して行われたトランプの演説は「期待外れ」...…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 7
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中