ニュース速報
ワールド

USスチール買収、「審査結果待ち」とホワイトハウス 日鉄副会長が訪米

2024年12月11日(水)17時57分

12月11日、 日本製鉄でUSスチールの買収計画を担当する森高弘副会長が今週、訪米していることが分かった。 写真は日本製鉄本社前で4月撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

Jasper Ward Alexandra Alper Ritsuko Shimizu

[11日 ロイター] - 日本製鉄でUSスチールの買収計画を担当する森高弘副会長が今週、訪米していることが分かった。広報担当者が11日、明らかにした。予定通りのタイミングで、買収への理解を促進するため現地で関係者らに会うとしている。

同買収計画は対米外国投資委員会(CFIUS)が国家安全保障の観点から審査を継続しており、月内に結果が出る見通し。ホワイトハウスの報道官は10日、審査結果を踏まえてバイデン大統領が是非を判断を決定すると説明した。バイデン氏は買収に依然として反対の立場だとも述べた。

同報道官は「(バイデン)大統領は当初から、USスチールが国内で所有され、運営されることが不可欠との立場だ」とした上で、「大統領はCFIUSの手続きがどうなるか引き続き見守る。CFIUSの勧告は受け取っていない。手続きは現在も進行中だ」とした。

ブルームバーグは先に、バイデン氏が安保上の懸念を理由に買収を正式に阻止する計画だと報じていた。

CFIUSは今月22日までに計画を承認するか、阻止するか、審査期間を延長するかを決定する必要がある。CFIUSはロイターの取材にコメントを控えた。

日鉄はブルームバーグの報道を受け、「政治が真の国家安全保障上の利益に勝る状態が続くことは、適切ではない」とのコメントを発表した。「米国の正義と公正さ、および法制度を信じている」とし、「公正な結論を得るために、今後、USスチールとも協働し、あらゆる手段を検討し、講じていく」とした。

USスチールは「地域社会、顧客、投資家、従業員はこの取引を強く支持しており、われわれはこの取引と法の支配の順守を擁護し続ける」との声明を出した。

バイデン大統領が買収阻止を決定した場合、日鉄とUSスチールは訴訟を起こす構えだ。

10日の米株式市場でUSスチールの株価は一時22%急落し、10%安で取引を終えた。取引が一時停止になる場面もあった。

買収計画を巡っては、石破茂首相がバイデン氏に書簡を送り、承認するよう求めたことが分かっている。

林芳正官房長官は11日午前の会見で、買収が困難になる可能性について問われ、「個別企業の経営に関する事案」としてコメントを控えた。一方、日米相互の投資拡大を含めた経済関係の強化は互いにとって不可欠だとし「引き続き日米間で幅広く議論を行っていきたい」と語った。

11日の東京市場で日本製鉄の株価は前日比12円安の3055円で午前の取引を終えた。

※キャプションを更新し再送します。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日銀、3月か4月会合で利上げの可能性「相応にある」

ワールド

アングル:米公民権運動導いたJ・ジャクソン師死去、

ワールド

ドイツ、F-35追加導入検討 欧州次世代戦闘機の計

ビジネス

ネスレ、第4四半期の増収率が予想上回る アイス事業
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 2
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 3
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではなかった...繰り返される、米民主党と同じ過ち
  • 4
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方..…
  • 5
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 6
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 7
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 8
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 9
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 10
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中