韓国大統領の弾劾訴追案、成立せず 与党議員の大半が投票不参加
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韓国国会で7日夜に審議された尹錫悦大統領の弾劾訴追案は、与党議員の大半が投票に参加せず、成立しなかった。写真は弾劾訴追案の可決を求めて集まった市民。12月7日、ソウルで撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[7日 ロイター] - 韓国国会で7日夜に審議された尹錫悦大統領の弾劾訴追案は、与党「国民の力」議員の大半が投票に参加せず、成立しなかった。大統領は弾劾を回避した。
与党議員は弾劾訴追案の採決前に1人を除いて退席。その後、数人が戻っただけだった。投票数は与野党合わせ195で、成立に必要な200に達しなかった。
投票が不成立になったことを受け、最大野党の「共に民主党」は、今後も弾劾に向けた取り組みを諦めないと述べた。与党側は、弾劾よりも「秩序と責任がある」方法で危機を解決していく考えを示した。
弾劾訴追案に先立ち、金健熙大統領夫人に対する特別調査を提案する法案が採決され、こちらは否決された。
尹氏は7日午前、国民向けのテレビ演説を行い、3日夜の非常戒厳宣布で混乱を引き起こしたと謝罪したが、辞任は表明しなかった。また、「任期も含め、今後の政治情勢を安定させるための措置を党に一任する」と語った。
尹氏は3日夜の緊急テレビ演説で、野党が国を危機に陥れていると非難した上で「反国家勢力」を撲滅するとして非常戒厳を宣布した。しかし、国会が直ちに解除要求決議を可決したため、尹氏は4日早朝に戒厳令を解除した。
その後、野党は尹氏の弾劾訴追案を提出。与党は当初、弾劾に反対する姿勢を示していたが、韓東勲代表は6日、大統領が職務を続ければ国民が危険にさらされる可能性が高いとし、早期に職務を停止する必要があるとの見解を示していた。
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