クアッド首脳、海洋安全保障巡る連携強化協議へ 中国念頭
9月20日、バイデン米大統領(写真)が地元の東部デラウェア州で21日に開催する日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」首脳会合では、東・南シナ海の領有権問題を巡る緊張が主要議題になる見通し。写真は米ワシントンで19日撮影(2024年 ロイター)
[ワシントン 20日 ロイター] - バイデン米大統領が地元の東部デラウェア州で21日に開催する日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」首脳会合では、東・南シナ海の領有権問題を巡る緊張が主要議題になる見通し。
中国はフィリピンなどと南シナ海で領有権問題を抱え、船舶の衝突が相次いでいる。クアッド首脳はインド洋全域の海洋安全保障での連携強化や、インド太平洋で違法操業する中国をはじめとする漁船を監視する計画の進展状況について話し合う見通し。
バイデン氏は退任が決まっており、クアッドが次期米大統領下で持続され、緊張緩和で成果を出せるかは不透明だ。岸田文雄首相も退任する。
ある米政府高官は、会合では「クアッドが超党派の枠組みであり、今後も持続する」ことがさまざまな形で示されるだろうと述べた。
保健衛生やがん治療、技術、インフラ対策といった問題も取り上げる予定。
バイデン政権の高官は「これは中国に対抗するための枠組みではないが、中国に代わる選択肢を示す狙いがあることは周知の事実だ」と述べた。
新アメリカ安全保障センターのアジアポリシー専門家リサ・カーティス氏は、クアッドの海洋安保に関する連携強化の動きは「中国に対し、海上の弱い者いじめは容認せず、同じ考えを持った(クアッド4カ国)が協調して対応を取るという強いシグナルを送ることになるだろう」と見込んだ。