ニュース速報
ワールド

COP29議長国、合意に向け構想提示 気候変動資金新目標など

2024年09月17日(火)17時31分

 9月17日、11月に開催される国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)の議長国アゼルバイジャンは、主要議題となる気候資金に関する新規目標の設定の達成に向けた計画を示した写真は3月、デンマーク・減る新ゲルで発言するCOP29議長国アゼルバイジャンのムフタル・ババエフ環境天然資源相ら(2024年 ロイター/Ali Withers)

[ロンドン 17日 ロイター] - 11月に開催される国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)の議長国アゼルバイジャンは、主要議題となる気候資金に関する新規目標の設定の達成に向けた計画を示した。

COP29では、途上国の気候変動対応を支援するため先進国が拠出する資金の新たな年間目標での合意を目指すが、締約国間の意見の隔たりは大きい。そこで議長国は今週、野心的な目標を引き上げる可能性がありながら、進展の妨げとなる締約国間の交渉や合意形成を必要としない10余りの副次的構想の概要を示した。構想では、各国政府が採択できる新たな基金、誓約、宣言の形をとる。気候問題に取り組む官民セクター向けに化石燃料生産国・企業が自発的に拠出する基金や、途上国の気候変動に起因する自然災害を支援する補助金などが含まれる。

議長国アゼルバイジャンのムフタル・ババエフ環境天然資源相は「(副次的構想は)COPの招集力とホスト国の国力を利用し連合を形成し進展を促す」と全締約国・関係機関に宛てた書簡で述べた。

議長国は、世界のエネルギー貯蔵容量を2030年までに22年の6倍、1500ギガワットに拡大するという誓約への支持獲得を目指す。

ババエフ氏は、このアジェンダは「利害関係者が共通の原則と目標のもとに集まることで、野心を高めるのに役立つ」とし、「われわれは、最も差し迫った問題のいくつかに取り組むと同時に、残された優先課題も強調したいと考えている」と述べた。

別の宣言では、各国と企業がクリーンな水素の世界市場を創設し、規制、技術、資金、標準化の障壁に対処する方針を示す。

議長国は、COPの場では、通常対立する立場の国々も懸案を脇に置いて気候問題という共通の課題に向け協力し合意を目指す「COP休戦」を呼びかけている。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

「核被害もっと知るべき」、各国首脳に要請 ノーベル

ワールド

金融政策の口先介入「厳に慎む」、日銀が独自に判断=

ビジネス

米ベイン、富士ソフトに法的拘束力ある提案 1株94

ビジネス

再送-中国の乗用車販売、9月は反転増加 下取り補助
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米経済のリアル
特集:米経済のリアル
2024年10月15日号(10/ 8発売)

経済指標は良好だが、猛烈な物価上昇に苦しむ多くのアメリカ国民にその実感はない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ビタミンD、マルチビタミン、マグネシウム...サプリメント「3つの神話」の噓を暴く
  • 2
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明かす意外な死の真相
  • 3
    東京に逃げ、ホームレスになった親子。母は時々デパートに行って「ある作品」を作っていた
  • 4
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
  • 5
    「メーガン妃のスタッフいじめ」を最初に報じたイギ…
  • 6
    迫るロシア軍からドネツク州ポクロフスク近郊で、大…
  • 7
    冷たすぎる受け答えに取材者も困惑...アン・ハサウェ…
  • 8
    メーガン妃とヘンリー王子は「別々に活動」?...久し…
  • 9
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」ものはど…
  • 10
    アルツハイマー病治療に新たな可能性...抗がん剤投与…
  • 1
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 2
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティアラが織りなす「感傷的な物語」
  • 3
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた「まさかのもの」とは?
  • 4
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」ものはど…
  • 6
    2匹の巨大ヘビが激しく闘う様子を撮影...意外な「決…
  • 7
    「メーガン妃のスタッフいじめ」を最初に報じたイギ…
  • 8
    ウクライナ軍がミサイル基地にもなる黒海の石油施設…
  • 9
    戦術で勝ち戦略で負ける......「作戦大成功」のイス…
  • 10
    借金と少子高齢化と買い控え......「デフレ三重苦」…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 3
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 4
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 5
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 6
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 7
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 8
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティ…
  • 9
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 10
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中