ニュース速報
ワールド

UNRWAのテロ組織関与、イスラエルは証拠提供せず=評価グループ

2024年04月23日(火)08時10分

4月22日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のスタッフがイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲攻撃に関与したとの疑惑を巡り、UNRWAの中立性を評価する外部グループが報告書を公表し、イスラエル側からは「相当な数のUNRWA職員がテロリストグループのメンバーだ」との主張を裏付ける証拠は提供されていない、と述べた。写真はUNRWAのロゴが入ったトラック。ラファで2023年11月撮影(2024年 ロイター/Amr Abdallah Dalsh)

Michelle Nichols

[国連/ベイルート 22日 ロイター] - 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のスタッフがイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲攻撃に関与したとの疑惑を巡り、UNRWAの中立性を評価する外部グループが22日に報告書を公表し、イスラエル側からは「相当な数のUNRWA職員がテロリストグループのメンバーだ」との主張を裏付ける証拠は提供されていない、と述べた。

同グループは今年2月に活動を開始し、フランスのコロナ前外相が率いている。

この報告書を受け、なおUNRWAへの資金拠出を一時凍結している幾つかの国が方針を見直す可能性もある。

報告書によると、これまでUNRWAは毎年、パレスチナ自治政府およびイスラエル、ヨルダン、レバノン、シリアの各国と職員リストを共有し、イスラエルからはこのリストについて特に懸念は表明されていなかった。

ところが今年3月になってイスラエルがUNRWA職員の中にかなりの数のテロリストグループのメンバーがいると言い出した一方、その証拠は示されていないという。

ただイスラエル外務省の報道官は22日、2135人余りのUNRWA職員はハマスもしくはスンニ派武装組織イスラム聖戦に属していると改めて指摘。評価グループの報告書は不十分な内容で、問題を解決せずに回避しようとしていると批判した。

その上でイスラエルとしては、パレスチナ自治区ガザへの支援に関しては引き続きUNRWAではなく、他の人道支援組織に資金を振り向けるよう関係各国に要請すると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中