ニュース速報
ワールド

ドイツ、中国に軍事転用技術提供の疑いで3人逮捕 海軍強化の恐れ

2024年04月23日(火)07時21分

4月22日、ドイツ当局は、中国の情報機関と連携し軍事転用が可能な技術情報を中国に提供した疑いで、ドイツ人3人を逮捕したと発表した。写真は両国の国旗。ベルリンで2023年6月撮影(2024年 ロイター/Fabrizio Bensch)

Andrey Sychev Rachel More

[ベルリン 22日 ロイター] - ドイツ当局は22日、中国の情報機関と連携し軍事転用が可能な技術情報を中国に提供した疑いで、ドイツ人3人を逮捕したと発表した。海軍の強化につながる恐れがあるとしている。

ドイツ検察当局によると、逮捕されたのはデュッセルドルフで会社を経営する夫婦と、中国の情報機関である国家安全省(MSS)職員のエージェントとされる人物。

夫婦は自らが経営する会社を通してドイツの大学と協力協定を締結し、軍艦などの船舶エンジンに使用できる機械部品についてMSS向けの調査を準備するなどした疑いがある。このほか、容疑者らはMSSの代理としてドイツで特殊レーザー装置を購入し、許可なく中国に輸出した疑いが持たれている。

検察当局によると、逮捕はドイツの国内情報機関が収集した情報に基づいて行われた。

ドイツのブッシュマン法相は「逮捕時、容疑者らは中国の海上戦闘力の拡大に役立つ可能性がある研究プロジェクトについてさらなる交渉を行っていた」と指摘。フェーザー内相は、中国のスパイ活動によるビジネス、産業、科学に対する重大な脅威を政府は監視していると述べた。

首都ベルリンの中国大使館は疑惑を否定。「スパイ容疑を利用して中国のイメージを政治的に操作し、名誉を傷つけるのをやめるよう求める」とした。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか

ワールド

北朝鮮の金総書記、核戦力増強を指示 戦術誘導弾の実

ビジネス

アングル:中国の住宅買い換えキャンペーン、中古物件

ワールド

アフガン中部で銃撃、外国人ら4人死亡 3人はスペイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 4

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 5

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    無名コメディアンによる狂気ドラマ『私のトナカイち…

  • 8

    他人から非難された...そんな時「釈迦牟尼の出した答…

  • 9

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 10

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 8

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中