ニュース速報
ワールド

シンガポール中銀、予想通り金融政策維持 「今年の経済強まる」

2024年01月29日(月)10時36分

1月29日、シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は、予想通り金融政策を据え置いた。写真は2017年6月、MAS前で撮影(2024年 ロイター/Darren Whiteside)

[シンガポール 29日 ロイター] - シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は29日、予想通り金融政策を据え置いた。

MASは「シンガポールドル名目実効為替レート(SドルNEER)」として知られる為替レートベースの政策バンドの実勢上昇率(傾き)を維持すると発表した。

政策バンドの幅と中央値の水準にも変更はなかった。

貿易に大きく依存するシンガポールは、金融政策運営で国内金利の代わりに通貨バスケットに対するSドル為替レートを微調整するという独自手段を用いている。

声明文は「さらなる世界的なショックがない限り、2024年のシンガポール経済は幅広い成長を背景に強まることが予想される。MASのコアインフレ率は年序盤は引き続き高止まりするものの、徐々に低下、第4・四半期までには一段と低下し、来年はさらに低下するだろう」とした。

メイバンクのエコノミストは、コアインフレ率、総合インフレ率ともに3%を上回り、適切と見なされるレンジを超えていることから、中銀は引き締めバイアスを維持していると指摘した。

12月のコアインフレ率は前年比3.3%で、昨年初めに記録したピークの5.5%から鈍化した。

MASは、1月からの1%ポイントの消費税引き上げによる一時的な影響でコアインフレ率は今四半期に上昇するが、24年平均は2.5─3.5%になるとの見通しを示した。

「シンガポール経済の見通しは24年も引き続き改善する」と指摘。ただ、インフレ見通しには上振れと下振れ双方のリスクがあると説明した。

OCBCのエコノミスト、セレナ・リン氏は「4月も金融政策は据え置かれる可能性が高い」とし、金融緩和は年内コアインフレ率がより顕著に緩和していることが確認されてからになると説明した。

MASはこれまで金融政策声明の発表を4月と10月に行っていたが、今年から1月、4月、7月、10月と四半期ごとに行う。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米中閣僚貿易協議で「枠組み」到達とベセント氏、首脳

ワールド

トランプ氏がアジア歴訪開始、タイ・カンボジア和平調

ワールド

中国で「台湾光復」記念式典、共産党幹部が統一訴え

ビジネス

注目企業の決算やFOMCなど材料目白押し=今週の米
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 3
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水の支配」の日本で起こっていること
  • 4
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 5
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 8
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 9
    アメリカの現状に「重なりすぎて怖い」...映画『ワン…
  • 10
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 6
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 7
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 10
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中