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第1段階の通商合意、中国は「約束果たさず」=米高官
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米通商代表部(USTR)のビアンキ次席代表は1日、トランプ前政権時代に締結された米中通商合意第1弾について、中国はコミットメントを達成していないとの見解を示した。2019年7月撮影(2022年 ロイター/Aly Song)
[ワシントン 1日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)のビアンキ次席代表は1日、トランプ前政権時代に締結し、2021年末が期限だった第1段階の米中通商合意について、中国が目標を達成しておらず、協議を続けていると明らかにした。
ビアンキ次席代表はワシントン国際貿易協会(WITA)のオンラインフォーラムで、「中国が第1段階の約束を果たしていないのは明らかだ。われわれはこれに対処しようとしている」と述べた。
20年1月に締結した第1段階の通商合意で、中国は米国の農産物、工業製品、エネルギー、サービスの購入額を17年比で2000億ドル増やすと約束した。
しかし、ピーターソン国際経済研究所がまとめたデータによると、21年11月までに目標の約60%にしか達していない。
中国税関総署のデータによると、同国の対米貿易黒字は2年連続で減少した後、21年に25%急増し3966億ドルとなった。対米輸出は27%、輸入は33%、それぞれ増加した。
在ワシントン中国大使館の報道官は、新型コロナウイルスや世界的な不況、サプライチェーン混乱による影響にもかかわらず、中国は第1段階の通商合意履行に取り組んできたと強調。
「米国が中国との貿易拡大に向けた健全な雰囲気と条件を作り出せることを期待している。両国の通商チームは通常の連絡を取り合っている」と声明で述べた。
ビアンキ氏は、中国に合意内容を履行させるためにバイデン政権が取っている措置について詳細には言及しなかった。
「われわれの目標は問題をエスカレートすることではないが、中国が確実に責任を果たすよう、利用可能なあらゆる手段を検討していることは確かだ」と述べるにとどめた。
ビアンキ氏はまた、中国との協議は容易ではないと指摘。中国の政府助成や非市場政策は、米国の経済的利益に対する深刻な脅威となっているとの認識を示した。
バイデン政権が計画するインド太平洋地域での新たな経済枠組みについてUSTRが議会と緊密に協議していることも明らかにした。さらなる詳細は今後数週間のうちに発表される予定という。
ビアンキ氏はこの枠組みについて、署名した国の市場アクセス改善は含まれないが、デジタル通商政策や労働規則、環境基準、サプライチェーンの耐性に関する交渉で、米国は貿易パートナーに基準の高い「拘束力のある約束」を求める方針だと述べた。