最新記事
ウクライナ情勢

ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

Video shows moment Russian "turtle tank" is destroyed by mine

2024年5月25日(土)16時17分
エリー・クック
ロシア軍の戦車

RoProy/Shutterstock

<攻撃を防ぐため金属製の「甲羅」で覆われたロシアの「亀戦車」だが、防御力が不十分であることを示す動画はほかにも>

ロシア軍の改造戦車がウクライナで地雷を踏んで吹き飛ばされる様子を捉えたものとされる新たな動画がインターネット上で公開された。動画には、金属製の「殻」で覆われた戦車が原野を進んでいく途中で連続して爆発が起こり、戦車の部品が吹き飛ばされる瞬間が映っている。爆発の後、一人の人物が慌てて戦車から逃げだす様子も確認できる。

■【動画】地雷を続けざまに踏んだロシア戦車、「連続爆発」で吹き飛ぶ瞬間...「亀の甲羅」も地雷には弱かった

ウクライナ国防省は5月21日、ロシア軍の「カメ戦車」が「一度に複数の地雷を踏んで吹き飛ばされた」とX(旧ツイッター)に投稿し、問題の短い動画はドローンと砲弾を専門に扱うウクライナ軍の「シャドー部隊」が撮影したと述べた。

ウクライナ政府はこの動画の撮影時期や場所については明らかにしておらず、動画の信ぴょう性に関する独立した検証を行うことは不可能だ。本誌はこの動画についてウクライナ軍とロシア国防省にメールでコメントを求めたが、これまでに返答はない。

ここ数週間ほどインターネット上に出回っている複数の動画からは、ロシアがウクライナ軍のFPV(一人称視点)自爆型ドローンから戦車を守るために、自軍の戦車を金属製の甲羅のような構造物で覆っている様子が見て取れる。この防御用のケージ(かご)を取りつけた車両は「カメ戦車」と呼ばれ、複数のオープンソース・アカウントで揶揄されている。

ウクライナの複数の前線にカメ戦車が出現

ロシア軍は以前から、戦車部隊に即席の装甲を施してウクライナ軍の攻撃から車両を守ろうとしてきた。ロシア軍のロケットランチャーにルーフスクリーンが取りつけられた例もある。

小型武器の専門家マシュー・モスが5月に入ってから本誌に語ったところによれば、カメ戦車はロシア軍が新たに攻勢をかけているハルキウ州北東部など、ウクライナの複数の前線に出現している。

モスはカメ戦車が今後さらに増え、また形式も統一されていくのかどうかについては「カメ戦車が今後どれだけ成果を上げ続けるか、そしてウクライナ軍がカメ戦車に慣れ始めてより効果的な攻撃法を見出すかどうかにかかっている」と述べた。

ウクライナの複数の情報源が過去数週間にインターネット上に投稿した動画には、ウクライナの戦場で破壊されたロシア軍の戦車と、防御用の金属製の殻の残骸が映っているとされている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

サマーズ氏、公的活動から退くと表明 「エプスタイン

ワールド

米シャーロットの移民摘発、2日間で130人以上拘束

ビジネス

高市政権の経済対策「柱だて」追加へ、新たに予備費計

ビジネス

アングル:長期金利1.8%視野、「責任ある積極財政
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 9
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 10
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中