最新記事
ウクライナ戦争

アウディーイウカ近郊の「地雷原」に突っ込んだロシア装甲車2台...同時に地雷を踏んだ瞬間をウクライナが公開

Two Russian APCs Hit Landmines in Rare Simultaneous Explosions: Video

2024年3月2日(土)12時55分
イザベル・ファン・ブリューゲン
ウクライナ東部ドネツク州のロシア装甲車

Andrey 69/Shutterstock

<陥落したウクライナ東部ドネツク州アウディーイウカ近郊の村で、ロシアの装甲兵員輸送車(APC)2台が地雷を踏んで同時に爆発>

ウクライナ東部ドネツク州で、ロシアの装甲兵員輸送車(APC)2台が、地雷を踏んで同時に爆発する瞬間を捉えた動画が公開された。この周辺はロシアの猛攻によって今年2月に陥落し、ウクライナ軍が撤退を余儀なくされた地域だった。ロシア軍の車両が踏んでしまったのは、ウクライナが残した置き土産だったのか。

■【動画】ウクライナ東部の「地雷原」にロシア軍の装甲車2台が突っ込む...同時に地雷を踏んで爆発する瞬間

この動画は、オープンソース・インテリジェンス(OSINT)のアカウント「OSINTテクニカル」がX(旧ツイッター)に投稿したもので、ドネツク州のステポベ村でロシアのAPC「BTR-80」2台が同時に地雷を踏んだという説明が添えられている。「ステポベにて。ロシアのBTR-80が前進中、2台同時にウクライナの地雷を踏む」

ステポベは、ウクライナ軍が2024年2月中旬に撤退した要塞都市アウディーイウカの北西約11キロにある集落だ。ウクライナ軍タウリア戦略部隊の広報担当ドミトロ・リホウィは2月27日、ウクライナのテレビ番組で、ステポベ村とシェベルネ村からも撤退したことを明らかにしている。

ウクライナとロシアはこの戦争で、多くの兵士と装備を犠牲にしている。特に、ロシアが2023年10月から重視してきたアウディーイウカ周辺の戦闘は、「肉ひき機」というレッテルを貼られている。戦闘が長期にわたり、多くの死傷者を出し、多大な資源が投じられているためだ。

ロシアが失ったAPCは1万2508台とウクライナ報告

今回公開されたのは、ドローンによる空撮動画だ。2台のAPCが前後に連なって不毛の地を前進している最中に、同時に地雷を踏み、爆発して煙を上げる様子が映し出されている。本誌は、この動画がいつ撮影されたかについて、独自に検証することはできなかった。

ウクライナ軍は2月28日付の最新報告で、ロシア軍は2022年2月の開戦以来、1万2508台のAPCを失ったと述べている。ウクライナ軍参謀本部は、ロシア軍の兵士と装備の損失について毎日発表しており、APCの損失もその一部。2月28日付の報告によれば、ロシア軍は過去24時間で1060人の兵士を失い、死傷者の合計が41万2610人となった。

最新報告ではさらに、ロシア軍は開戦以来、1万29基の自走榴弾砲、6570両の戦車、3426機の軍用ジェット機を失ったとしている。本誌はこれらの数字について、独自に検証することはできなかった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ブラジルのアダジ財務相、辞任の可能性示唆=報道

ビジネス

韓国SKオンとフォード、米電池合弁事業終了へ

ビジネス

スペースXの上場計画を投資家は歓迎 史上「最も熱狂

ビジネス

世界のEV販売台数、11月は24年2月以来の低い伸
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 4
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 5
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 6
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 7
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 8
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 9
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 10
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中