最新記事
野生生物

「これが野生だ...」ワニがサメを捕食...カメラがとらえた衝撃の残虐シーン

Video of Crocodile Eating Shark Sparks Warning

2024年3月1日(金)14時30分
ジェス・トムソン
(写真はイメージです) Alexander Machulskiy-Shutterstock

(写真はイメージです) Alexander Machulskiy-Shutterstock

<体長約6メートルにもなるイリエワニには数えきれないほど多くの人が襲われている>

まるでスティーブ・アーウィンのドキュメンタリー番組さながらに、野生のワニがサメをむさぼる姿をカメラがとらえた。

【画像】【動画】「これが野生だ...」ワニがサメを捕食...カメラがとらえた衝撃の残虐シーン

場所はオーストラリア北東部クイーンズランド州を流れるフィッツロイ川。現地に住むマイケル・マーロウがサメを食べるワニを撮影した。これをきっかけに野生生物管理当局は、オーストラリア全土の河川や河口に潜む危険性について注意を喚起し、野生生物に餌をやってはいけないと呼びかけている。

同州ロックハンプトンの町の近郊で2月8日に撮影された動画には、水面に浮かんだサメの死骸に食いつくワニが映っていた。

現地の放送局ABCカプリコーニアの取材に対してマーロウは、「最初は何が起きているのか分からなかった」と振り返った。「きっと岸に上がろうとしているんだろうと思ったが、浮上してくると獲物が見えた」

「考えてみると怖くもある。水の中にいる時はそれほど大きく見えなかったのに、いきなりものすごく大きく見えた」

クイーンズランド州で野生のワニを目撃した場合は当局に報告する必要がある。だがマーロウは数年前にオーストラリアに転居してきたばかりで、そのことを知らなかった。

「自分がどうすべきかを知らずに、ただすごいと思ったから動画を投稿した」「これが野生だと思った。アメリカではいろんな場所に住んだことがあって、アリゲーターはいたけれど、ここのクロコダイルは本当にすごい」

動画に映っているのは特に危険な種といわれるイリエワニ(ソルトウォータークロコダイル、別名ソルティ)。世界各地で人が襲われ、約半数が死亡している。イリエワニは現存する最大の爬虫類で、世界のワニの中で最も大きい。主にインド太平洋地域の東南アジア、オーストラリア、東インド、太平洋西部の島国で、濁った水に生息している。

イリエワニは成長すると体長約6メートルにもなる。特に人と共存している場所では、数えきれないほど多くの人が襲われている。これはワニの生息地を人間が侵害し、かつて人間とワニを隔てていた境界がなくなったことが原因ともいわれる。

オーストラリアには推定20万頭のイリエワニが生息する。

クイーンズランド州公園野生生物局(QPWS)のアレックス・ピーターズはABCカプリコーニアの取材に対し、誰かがSNSで注目を集めようとワニに餌を与えた可能性があり、この動画は懸念されると語った。「これがたまたまだったのかどうか調べている。もしもSNSで『いいね』を集めようと人々が故意にワニに餌を与えているとすれば、極めて遺憾だ」

「過去の事例が示す通り、餌を与えられたことのあるワニは餌を求めてほかの人たちに近付いたり、過去に餌をもらった場所の周辺をうろついたりして手軽な食事にありつこうとする」「そうなれば何も知らない人々が危険にさらされ、その動物が駆除される可能性が大きい」

マーロウは、この件に関してQPWSからの連絡はないとABCカプリコーニアに話している。

(翻訳:鈴木聖子)

20240730issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年7月30日号(7月23日発売)は「トランプ暗殺未遂」特集。前アメリカ大統領をかすめた銃弾が11月の大統領選挙と次の世界秩序に与えた衝撃

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:トランプ氏なら強制送還急拡大か、AI技術

ビジネス

アングル:ノンアル市場で「金メダル」、コロナビール

ビジネス

為替に関する既存のコミットメントを再確認=G20で

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型ハイテク株に買い戻し 利下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ暗殺未遂
特集:トランプ暗殺未遂
2024年7月30日号(7/23発売)

前アメリカ大統領をかすめた銃弾が11月の大統領選挙と次の世界秩序に与えた衝撃

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理由【勉強法】
  • 2
    BTS・BLACKPINK不在でK-POPは冬の時代へ? アルバム販売が失速、株価半落の大手事務所も
  • 3
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子どもの楽しい遊びアイデア5選
  • 4
    キャサリン妃の「目が泳ぐ」...ジル・バイデン大統領…
  • 5
    地球上の点で発生したCO2が、束になり成長して気象に…
  • 6
    カマラ・ハリスがトランプにとって手ごわい敵である5…
  • 7
    トランプ再選で円高は進むか?
  • 8
    拡散中のハリス副大統領「ぎこちないスピーチ映像」…
  • 9
    中国の「オーバーツーリズム」は桁違い...「万里の長…
  • 10
    「轟く爆音」と立ち上る黒煙...ロシア大規模製油所に…
  • 1
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラニアにキス「避けられる」瞬間 直前には手を取り合う姿も
  • 2
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを入れてしまった母親の後悔 「息子は毎晩お風呂で...」
  • 3
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」、今も生きている可能性
  • 4
    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…
  • 5
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理…
  • 6
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子…
  • 7
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 8
    「失った戦車は3000台超」ロシアの戦車枯渇、旧ソ連…
  • 9
    「宇宙で最もひどい場所」はここ
  • 10
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った猛烈な「森林火災」の炎...逃げ惑う兵士たちの映像
  • 3
    ウクライナ水上ドローン、ロシア国内の「黒海艦隊」基地に突撃...猛烈な「迎撃」受ける緊迫「海戦」映像
  • 4
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 5
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラ…
  • 6
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 7
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを…
  • 8
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」…
  • 9
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 10
    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中