ニュース速報

ワールド

米、EUとのデジタルサービス税巡る交渉から撤退=USTR代表

2020年06月18日(木)10時25分

ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は17日、デジタルサービス税を巡る欧州連合(EU)との交渉で進展が見られないため、ムニューシン財務長官は交渉からの撤退を決めたと明らかにした。ブリュッセルで2017年2月撮影(2019年 ロイター/FRANCOIS LENOIR)

[ワシントン 17日 ロイター] - ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は17日、デジタルサービス税を巡る欧州連合(EU)との交渉で進展が見られないため、ムニューシン米財務長官は交渉からの撤退を決めたと明らかにした。

ライトハイザー代表は下院歳入委員会の公聴会で、この課税の取り扱いについて国際的な枠組みの構築が必要との考えを変えていないとしながらも、欧州諸国との交渉で成果は得られていないと説明。「進展が見られなかったことから、ムニューシン長官は交渉に関与しないことを決定した」と述べた。

財務省報道官は17日遅くに出した声明で、世界各国が新型コロナウイルス流行への対応と安全な経済再開を目指す中で、米政府は経済協力開発機構(OECD)加盟国によるデジタル税と国際的な課税に関する協議の「中断」を提案したと説明した。

英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は、ムニューシン長官がフランス、スペイン、英国、イタリアの当局に宛てた12日付の書簡で交渉停止を通達したと報道。ライトハイザー代表はこの報道を初めて確認した。

ただ、この書簡について知る関係筋によると、米政府は引き続き年内の合意は可能とみているもよう。

USTRは今月2日、EUのほか、オーストリア、ブラジル、チェコ、インド、インドネシア、イタリア、スペイン、トルコ、英国の10カ国・地域でデジタルサービス税が導入済み、もしくは導入が検討されているか調査を開始すると発表。導入済み、もしくは検討中と判断すれば、米国は新たな関税措置を打ち出す可能性がある。

*米財務省の声明を追加しました

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:メダリストも導入、広がる糖尿病用血糖モニ

ビジネス

アングル:中国で安売り店が躍進、近づく「日本型デフ

ビジネス

NY外為市場=ユーロ/ドル、週間で2カ月ぶり大幅安

ワールド

仏大統領「深刻な局面」と警告、総選挙で極右勝利なら
MAGAZINE
特集:姿なき侵略者 中国
特集:姿なき侵略者 中国
2024年6月18日号(6/11発売)

アメリカの「裏庭」カリブ海のリゾート地やニューヨークで影響力工作を拡大する中国の深謀遠慮

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア

  • 2

    米フロリダ州で「サメの襲撃が相次ぎ」15歳少女ら3名が海水浴中に手足を失う重症【衝撃現場の動画付き】

  • 3

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 4

    この「自爆ドローンでロシア軍撃破の瞬間」映像が「…

  • 5

    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 6

    カカオに新たな可能性、血糖値の上昇を抑える「チョ…

  • 7

    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…

  • 8

    米モデル、娘との水着ツーショット写真が「性的すぎ…

  • 9

    ウクライナ軍がロシアのSu-25戦闘機を撃墜...ドネツ…

  • 10

    「これが野生だ...」ワニがサメを捕食...カメラがと…

  • 1

    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア

  • 2

    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車の猛攻で、ロシア兵が装甲車から「転げ落ちる」瞬間

  • 3

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思っていた...」55歳退官で年収750万円が200万円に激減の現実

  • 4

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...…

  • 5

    米フロリダ州で「サメの襲撃が相次ぎ」15歳少女ら3名…

  • 6

    毎日1分間「体幹をしぼるだけ」で、脂肪を燃やして「…

  • 7

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっ…

  • 8

    カカオに新たな可能性、血糖値の上昇を抑える「チョ…

  • 9

    「クマvsワニ」を川で激撮...衝撃の対決シーンも一瞬…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が妊娠発表後、初めて公の場…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア

  • 4

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…

  • 5

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 6

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 7

    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 8

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 9

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…

  • 10

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中