中国株の信用取引融資が過去最高、株高でレバレッジ投資拡大

中国の信用取引融資残高が9月1日時点で2兆2900億元(3200億ドル)に達し、2015年に記録した過去最高(2兆2700億元)を更新した。写真は人民元紙幣。2017年5月撮影(2025年 ロイター/Thomas White)
Jiaxing Li
[香港 2日 ロイター] - 中国の信用取引融資残高が1日時点で2兆2900億元(3200億ドル)に達し、2015年に記録した過去最高(2兆2700億元)を更新した。投資家は流動性に支えられた株価上昇の流れに乗ろうと、レバレッジ投資を増やしている。
15年当時は違法な信用取引が株価の大幅な上昇と急落を引き起こし、当局による規制強化につながった。
記録更新にもかかわらず、信用取引は現在、中国の変動市場全体の時価総額の2.3%を占めるに過ぎず、中国株式市場規模がはるかに小さかった10年前の4.7%を大きく下回っている。
BNYのアジア太平洋マクロストラテジスト、ウィー・クーン・チョン氏は、レバレッジ急上昇のペースは「FOMO(乗り遅れる恐怖)もあって非常に高いように見える」としつつ、市場全体のバリュエーションは妥当な水準にとどまっており、まだ過度の熱狂状態ではないことを示唆していると指摘。
「足元の(株価)上昇は新しい経済、人工知能(AI)、テクノロジーへの楽観的な見方によってけん引されていると思う。現在の株価上昇が経済全体の広範な楽観姿勢を再び呼び起こすことができれば、今後大きな上昇余地が生まれる」と述べた。