経営危機の英水道テムズ・ウォーター、罰金支払いの期限猶予

8月27日、英国最大の民営水道会社で経営危機に陥っているテムズ・ウォーターは、規制当局から1億2300万ポンド(1億6600万ドル)の罰金支払いについて一部猶予を認められたと発表した。写真は同社の車両と作業員。2024年12月、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Mina Kim)
[ロンドン 27日 ロイター] - 英国最大の民営水道会社で経営危機に陥っているテムズ・ウォーターは27日、規制当局から1億2300万ポンド(1億6600万ドル)の罰金支払いについて一部猶予を認められたと発表した。同社は一時的な国有化を回避するために資金調達を模索している。
テムズは今年、排水により水質を汚染したなどとして英水道規制当局Ofwatから罰金を科せられた。同社は今回のOfwatとの合意により、このうち約1億ポンドの支払いを、最長で2030年まで延期できる可能性がある。
テムズは昨年から経営危機にあり、資金を調達できなかった場合、政府は公共性が高い企業に対する破綻処理手続きである特別管理制度(SAR)下に置く準備を整えている。
Ofwatとの合意では、テムズは数週間以内に罰金の20%を支払い、残額は(1)資本再構築の30日後、(2)SAR下に入る場合にはSAR脱却の30日後、(3)最終期限の2030年3月31日のうち、最も早い日に支払う。
テムズは「市場主導の資本再構築を確保できるよう、ステークホルダーと密接に協力している」との声明を出した。方法としては、債権者による出資や債務減免の可能性が含まれるとしている。
Ofwatの執行担当シニアディレクター、リン・パーカー氏は合意した罰金支払い計画について「引き続きテムズ・ウォーターに失敗の責任を問う一方で、現在進行中の資本調達、資本再構築プロセスを認識するものだ」と説明した。