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日経平均は反発、GDP上振れで買い優勢 銀行株強い

2025年08月15日(金)16時16分

 8月15日、東京株式市場で日経平均は、前営業日比729円05銭高の4万3378円31銭と反発して取引を終えた。写真は12日、都内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Noriyuki Hirata

[東京 15日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比729円05銭高の4万3378円31銭と反発して取引を終えた。前日安からの反動が意識される中、朝方に発表された実質国内総生産(GDP)が市場予想を上振れ、好感する動きが優勢になった。金利上昇を受け、銀行や保険など金融株の強さが目立った。TOPIXは取引時間中の史上最高値を更新し、終値では日経平均とTOPIXがともに史上最高値を更新した。

市場では「米政権が米経済を支えるというメッセージを発する中で、日本のGDPが悪くないということなら、日本株の投資家は弱気になりにくい」(りそなアセットマネジメントの戸田浩司シニアファンドマネージャー)との声が聞かれた。大引け前には一時756円高の4万3405円43銭に上値を伸ばした。

4―6月GDP速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)が前期から0.3%増え、5四半期連続のプラスとなり、市場予想の前期比0.1%増を上回った。

金利が上昇する中、銀行が業種別の値上がり率でトップになったほか、保険も上位に入った。米金利の上昇が国内金利に波及したほか、堅調なGDPを受けて、日銀による早期利上げへの思惑もやや高まった。取引時間中のドル/円は上値が重かったが、前日比ではなお円安寄りでの推移となり、輸出関連株を支援した。

日銀の早期利上げの思惑は「日本経済がしっかりしているなら(株価の面で)必ずしも悪材料視する必要はない」(戸田氏)との見方もある。金融政策の正常化は、日銀が国内経済への自信を深めていることの表れと捉えることも可能だという。

一方、市場では、米関税の影響や国内物価高の継続などが景気を下押しするリスクがくすぶるほか、早期利上げへの過度な思惑は為替の円高圧力を高めかねず、引き続き目配りは必要とみられている。

TOPIXは1.63%高の3107.68ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比1.63%高の1599.6ポイントだった。プライム市場の売買代金は5兆6113億8800万円だった。東証33業種では、値上がりは銀行や非鉄金属、保険など30業種、値下がりは金属製品や水産・農林、倉庫・運輸関連の3業種だった。

TOPIXの寄与度上位では、三菱UFJフィナンシャル・グループが上場来高値を更新するなどメガバンクの強さが目立った。ソフトバンクグループも上場来高値を更新。ソニーグループとともに、日経平均とTOPIXの両指数の上昇に寄与した。一方、前日に決算を発表した電通グループやクレディセゾンは大幅安だった。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.11%高の788.24ポイントと続伸した。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが853銘柄(52%)、値下がりは703銘柄(43%)、変わらずは66銘柄(4%)だった。

終値 前日比 寄り付き    安値/高値  

日経平均 43378.31 729.05 42866.38 42,736.86─43,405.43

TOPIX 3107.68 49.73 3074.14 3,073.45─3,108.66

プライム指数 1599.60 25.69 1583.13 1,583.13─1,600.04

スタンダード指数 1463.31 -0.53 1464.04 1,459.60─1,464.22

グロース指数 1019.59 9.97 1013.79 1,013.42─1,029.65

グロース250指数 788.24 8.66 783.11 782.65─795.79

東証出来高(万株) 216544 東証売買代金(億円) 56113.88

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