独ZEW景気期待指数、8月大幅悪化 米関税合意に失望

8月12日、欧州経済センター(ZEW)が発表した8月のドイツ景気期待指数は34.7で前月の52.7から大幅に低下した。写真は7月、ハンブルクで撮影(2025年 ロイター/Christian Kraemer)
Maria Martinez
[ベルリン 12日 ロイター] - 欧州経済センター(ZEW)が12日発表した8月のドイツ景気期待指数は34.7で前月の52.7から大幅に低下した。欧州連合(EU)と米国の関税交渉の結果に対する失望や、第2・四半期のドイツ経済低迷が影響した。
ロイターがまとめたアナリスト予想(39.8)も下回った。
ZEWのワムバッハ所長は「金融市場の専門家は、EUと米の貿易枠組み合意に失望している」と指摘。特に化学・製薬業界の見通しが悪化したが、機械工学・金属部門や自動車産業も深刻な影響を受けたと述べた。
第2・四半期のドイツの国内総生産(GDP)は前期比0.1%減少。関税引き上げを前にした米の駆け込み需要が失速したことが響いた。
ドイツ銀行のエコノミストは「欧州連合(EU)と米国の関税合意により貿易政策の不確実性は軽減されたが、これは欧州中央銀行(ECB)の追加利下げが現時点で選択肢から外れる可能性が高いことを意味する」と述べた。
LBBWのエコノミストは、「企業は貿易面でなぎの状態がいつまで続くのかと不安を抱いている。経済環境は年内は厳しい状況が続く可能性が高い」との見方を示した。
現況指数はマイナス59.5からマイナス68.6に悪化した。
しかしドイツ銀行のエコノミストは「今年後半には政府による多額の投資インセンティブもあって国内経済は再び回復するはずだ」と述べた。