英中銀のQT、国債利回り0.25%押し上げ 市場でペースダウン観測

イングランド銀行(英中央銀行)は7日、量的引き締め(QT)としての保有国債売却が、英政府の資金調達コストを最大0.25%ポイント押し上げた可能性があると指摘した。写真は8月4日、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Corey Rudy)
David Milliken
[ロンドン 7日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は7日、量的引き締め(QT)としての保有国債売却が、英政府の資金調達コストを最大0.25%ポイント押し上げた可能性があると指摘した。
英中銀は毎年8月に、過去1年間のQTの影響を点検し、9月の金融政策委員会で向こう1年間の方針を決定する。
英中銀は危機対応で2009─21年に8750億ポンド(1兆1700億ドル)の国債を購入。22年以降、国債の売却と満期償還によって保有国債を3000億ポンド以上圧縮した。
保有国債残高は24年10月以降、1000億ポンド減少。うち870億ポンドが満期償還によるものだった。
7日発表した報告書は、QTの10年債利回り押し上げを0.15─0.25ポイントとした。昨年は0.1─0.2ポイントだった。
ラムスデン中銀副総裁は記者会見で、「比較的緩やかで予測可能な」方法での売却を含めQTの既存のアプローチを堅持する方針だと述べたが、より詳細なガイダンスを出すのは時期尚早だとした。
「われわれは国債市場の動向、特にロングエンドの動向に注意を払っている。30年債と10年債のスプレッドが拡大している」と述べたが、他の債券市場でも同様の動きが見られると指摘した。
報告書は、年金基金の需要減少により、長期国債の売却が流動性に大きな影響を与える可能性があると指摘。「国債市場におけるこうした同様の変化は、QTが市場機能に従来よりも大きな影響を与えるリスクをもたらす可能性がある」とした。
シティのアナリストは、報告書とラムスデン氏の発言を踏まえ、英中銀が来月、年間のQTペースを750億ポンドに引き下げるとの見方が市場で強まったと述べた。