ノボノルディスク、業績予想下方修正で株価一時30%急落

3月29日、肥満症治療薬「ウゴービ」のメーカーとして知られるデンマークの製薬大手ノボノルディスク は、業績予想を下方修正し新たに最高経営責任者(CEO)を任命したことを受け株価が急落して時価総額が700億ドル以上失われた。コペンハーゲン近郊の同社オフィスで14日撮影(2025年 ロイター/Tom Little)
Jacob Gronholt-Pedersen Stine Jacobsen Maggie Fick
[コペンハーゲン 29日 ロイター] - 肥満症治療薬「ウゴービ」のメーカーとして知られるデンマークの製薬大手ノボノルディスク は29日、業績予想を下方修正し新たに最高経営責任者(CEO)を任命したことを受け株価が急落して時価総額が700億ドル以上失われた。肥満治療薬市場で競争が激しくなっている状況が背景にある。
ノボノルディスクは自ら先陣を切った肥満治療薬市場で地位が低下するとの懸念が高まっており、売り上げの回復と投資家の信頼を取り戻すためにベテラン幹部のマジアール・マイク・ドゥースダー氏を新CEOに任命した。
株価急落はノボノルディスクが2025年の売上高の見通しを従来の13―21%から8―14%に引き下げたのがきっかけで、ドゥースダー氏の任命を発表しても株式市場の動揺を抑えられなかった。株価は一時ほぼ30%下がった後、午後の半ばになって下落幅をやや縮小し、20%安まで値を戻した。年初来では44%下落した。
ドゥースダー氏はイラン生まれで、オーストリア国籍を持ち米国で育った。1992年に入社し、現在は国際事業担当の副社長を務めている。一部のアナリストや投資家は、次のCEOは米国出身者か米市場で豊富な経験のある人物が適任と主張していた。
ノボノルディスクはウゴービを米競合企業イーライ・リリーのゼップバウンドよりも約2年半早く売り出したが、今年に入ってゼップバウンドの処方件数がウゴービを1週間当たり10万件以上上回るようになった。