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午後3時のドルは147円後半で方向感欠く、参院選後の円買い戻し一巡

2025年07月22日(火)15時18分

 7月22日 午後3時のドル/円は147円後半と、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安で推移している。写真は1ドル紙幣で、2021年11月撮影(2025年 ロイター/Murad Sezer)

Atsuko Aoyama

[東京 22日 ロイター] - 午後3時のドル/円は147円後半と、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安で推移している。自民・公明両党が過半数割れとなった参議院選挙後の円の買い戻しは一巡した。政局流動化に伴う円売りリスクは依然としてくすぶるものの、市場の関心は次第に、関税交渉や日米中銀会合など国内外で控える重要イベントに向かいつつある。

ドルは午前中、147円前半から147円半ばを中心に売買が交錯。午後に入ると一時ドル買いが強まり、147.80円まで上値を伸ばす場面もあったが、明確な方向感は出ていない。

過度な懸念の後退で参院選直後に円は買い戻されたものの、政局の流動化リスクが消えたわけではない。

三菱UFJ銀行チーフアナリストの井野鉄兵氏は22日付のリポートで、「石破おろし」が本格化すれば改めて財政拡張の可能性を意識した円売り地合いに回帰し得るとして、150円を超える円安リスクは「相応に残っている」と指摘する。政局に絡んで財政面などを意識した円売りリスクが再燃するとすれば、自民党役員人事や内閣改造が画策されるとみられる9月ごろになる可能性があるとの見方を示した。

7月末から8月初めにかけて、国内外で重要イベントが相次ぐ。米国による相互関税の引き上げが8月1日に迫るだけでなく、月末には日米中銀の金融政策決定会合も予定されている。

選挙戦で改めて物価高に脚光が当たる中、特に日銀のインフレに対する見解が注目との声もある。インフレ鎮静化という観点から、金融政策が引き締められないまま「与野党が財政緩和に動き出すなら火に油」(外銀の為替ディーラー)との指摘も聞かれる。

植田和男総裁は日本の基調的なインフレ率が目標とする2%を下回っているとの見解を崩していないものの、今回発表される展望リポートなどでタカ派的な見通しが示されるかが注目ポイントになるという。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 147.77/147.78 1.1687/1.1688 172.70/172.71

午前9時現在 147.40/147.41 1.1694/1.1696 172.37/172.42

NY午後5時 147.38/147.39 1.1695/1.1696 172.31/172.34

ロイター
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