バイオジェン、関税導入に備え米国内製造拠点に20億ドル追加投資へ

7月21日、米製薬大手バイオジェン は、南部ノースカロライナ州の製造拠点に20億ドルを追加で投資すると発表した。写真は同社ロゴと試験管のイメージ。2021年12月、ボスニア・ヘルツェゴビナのゼニカ市で撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[21日 ロイター] - 米製薬大手バイオジェン は21日、南部ノースカロライナ州の製造拠点に20億ドルを追加で投資すると発表した。トランプ大統領が医薬品に関税を導入した場合に備える。
多発性硬化症やアルツハイマー病の主要治療薬を生産する最大規模の工場が集積する同州のリサーチ・トライアングル・パーク(RTP)に資金を投じる。これにより特定の遺伝子標的療法の開発・生産を拡大し、充填・包装施設、自動化や人工知能(AI)技術を強化する。
バイオジェンはこれまでにこの製造拠点に約100億ドルを投じてきた。同州には7つの施設があり、8カ所目が今年下期に稼働を開始する予定だ。
製薬業界が輸入関税措置の可能性に備える中、バイオジェンのほか、米同業イーライ・リリー、メルク、スイスのロシュなどの大手製薬会社も米国への投資を相次いで発表している。
医薬品はこれまでトランプ氏の相互関税の対象から除外されているが、同氏は国内生産を強化し、医薬品の供給を他国に依存しないために、別途関税が必要だと繰り返し主張している。同氏は今月、関税の導入は延期の可能性があるが、税率は最高200%に達することもあると示唆した。