チャットGPTでGDP予測精度向上、ECBが論文

欧州中央銀行(ECB)は26日公表した論文で、購買担当者景気指数(PMI)発表文における定性的なコメントを「チャットGPT」で分析することで、国内総生産(GDP)予測を大幅に改善できる可能性があると指摘した。写真は独フランクフルトで2023年3月撮影(2025年 ロイター/Heiko Becker)
[フランクフルト 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は26日公表した論文で、購買担当者景気指数(PMI)発表文における定性的なコメントを「チャットGPT」で分析することで、国内総生産(GDP)予測を大幅に改善できる可能性があると指摘した。
ECBは近年、インターネット上の価格情報を自動収集する「ウェブスクレイピング」や大規模言語モデルを使ったデータ分類で予測能力を向上させるなど、人工知能(AI)を活用している。
今回の研究では、PMI発表に関連する比較的短いテキストでも経済動向に関する有意義な示唆を提供し、経済活動をリアルタイムで評価する能力が高まることが分かった。
ECBのエコノミストはチャットGPTを使用し、PMI発表文に含まれるストーリーや逸話を基に景況感スコアを生成し、これらのスコアを現在の四半期の成長予測(ナウキャスト)に組み込んだ。
論文は、PMIテキストスコアを組み込むことでGDPナウキャストの精度が大幅に向上するという結果が得られたとし、精度向上には何百万もの新聞記事ではなく、わずか2ページのテキストで十分だと指摘した。