米自動車業界団体首脳、議会で自動運転車の運用容易化を要求

6月25日、ロボタクシー(自動運転タクシー)の走行試験が広がる中で米自動車業界団体首脳は連邦議会の公聴会で、米国で自動運転車を運用しやすくするように議会とトランプ政権が迅速に動くことを求めた。写真はテスラのロボタクシー。テキサス州オースティンで22日撮影(2025年 ロイター/Joel Angel Juarez)
[ワシントン 26日 ロイター] - ロボタクシー(自動運転タクシー)の走行試験が広がる中で米自動車業界団体首脳は連邦議会の公聴会で、米国で自動運転車を運用しやすくするように議会とトランプ政権が迅速に動くことを求めた。
議会は数年間にわたり、自動運転車を展開しやすくするための法案を可決するかどうかで意見が分かれている。一方、米道路交通安全局(NHTSA)は安全規則の改定や、最大で年間2500台の自動運転車への適用除外、他のハードルの緩和に向けた作業では迅速に動いていない。
米自動車業界団体の米自動車イノベーション協会(AAI)のジョン・ボゼラ最高経営責任者(CEO)は26日の議会下院公聴会で「自動車業界は機能的で効果的な自動車安全規制当局を求めている。私たちには今日それがない」とし、「規制当局(NHTSA)は機敏ではない。たとえ規則を制定できるとしても、時間がかかり過ぎる」と批判した。
自動運転車産業協会のジェフ・ファラーCEOは、中国が自動運転車の開発に積極的な中で、米国が世界をリードできるように長く停滞している全国規模の法案を可決するよう議会に要求。「今、私たちは片手を後ろに縛られた状態で戦っている」と訴えた。
ダフィー運輸長官は4月、自動運転車の開発促進に向けた新たな運輸局の枠組みは、米国の自動車メーカーが中国のライバル企業に対抗するのに役立つだろうと表明した。
人間が運転する場合に必要となるハンドルやブレーキペダル、ミラーを自動運転車に義務付けないことを自動車メーカーから要請されたのを受け、NHTSAは審査を加速させると今月発表した。
一方、米道路安全保険協会(IIHS)のデビッド・ハーキー代表は「NHTSAは時代の流れを捉えられていない」とし、「近年は緊急性を欠き、明らかに有益な介入による安全上の利益を過小評価し、欠陥のある方法論で任務を遂行してきた」と批判を繰り広げた。
米国での2024年の交通事故死者数は3万9345人と前年より3.8%減ったものの、新型コロナ禍前の19年の3万6355人を大きく上回った。これは他の先進国の平均死者数の約2倍に達している。