JPモルガン、新興国株価指数の年末目標引き上げ 貿易懸念後退で

6月26日、JPモルガンは、MSCI新興市場(EM)株価指数の年末目標株価を1150から1250に引き上げた。写真は、ロサンゼルス港に並ぶ海上コンテナ。5月5日、カリフォルニア州のロサンゼルス港で撮影(2025年 ロイター/David Swanson)
[26日 ロイター] - JPモルガンは26日、MSCI新興市場(EM)株価指数の年末目標株価を1150から1250に引き上げた。割安感、ドル安、米貿易政策を巡る懸念緩和を理由とし、「オーバーウエート」の判断を維持した。
JPモルガンは「新興国市場における年初来の値動きは貿易摩擦が軸となっており、関税率が以前より高水準にとどまる可能性は高いものの、不確実性が低下するにつれ、年後半にはプラスのサプライズが生まれる余地があるとみている」と分析した。
EM指数は、トランプ米大統領による貿易政策への懸念から安全資産とされるドルを含む米国資産への信頼が低下したため、今年に入って13.5%上昇。ドル指数は10%下落している。
JPモルガンのアナリストはノートで、「米経済の状況は例外的成長でも景気後退(リセッション)でもなく、ドル安は続くとみている。これは長期的には資産分散につながり、小規模だったとしても新興国に大きな効果をもたらす可能性がある」と述べた。
このほかJPモルガンは、インフレ緩和と経済成長見通しの鈍化から、インドとチェコを除く新興国21カ国中19カ国が下半期に利下げすると予想。通貨面では、ブラジルレアルとメキシコペソが新興国市場で最も高金利の通貨にとどまるとの予想を示した。