日本のM&A、上期34兆円で過去最高 トヨタグループなど再編相次ぐ

2025年上半期(1-6月)の日本企業関連のM&A(合併・買収)総額は、前年同期比3.5倍の34兆1200億円だった。資料写真、2012年10月、カリフォルニア州パサデナで撮影(2025年 ロイター /Mario Anzuoni)
Miho Uranaka
[東京 26日 ロイター] - 2025年上半期(1-6月)の日本企業関連のM&A(合併・買収)総額は、前年同期比3.5倍の34兆1200億円だった。上半期だけで前年通期の実績を上回り、同期間として過去最高を更新。トヨタ自動車の源流企業である豊田自動織機の非公開化やNTTによるNTTデータグループの完全子会社化など、グループ再編を伴う大型案件が総額を押し上げた。
英ロンドン証券取引所を運営するLSEGが26日公表したデータによると、1980年の集計開始以来、同期間として過去最高を記録した。主幹事引受額(リーグテーブル)としては野村証券が、18兆3500億円で首位。関連する自社株TOB(公開買い付け)と合わせ約9.9兆円相当のトヨタグループによる豊田自動織機の非公開化や、2.3兆円のNTTデータ非公開化で買収側の助言を担った。
野村証券でグローバルM&Aを統括する新田圭・常務執行役員は、「グループ内再編の案件が確実に増えている」と指摘し、今後も経営戦略の一つとしてM&Aを選択する状況は続くだろうと述べた。
日本企業関連のM&Aのうち、国内案件の総額は前年同期比約5.4倍の18.8兆円に達した。海外から日本へのインバウンドM&Aは約3倍の2.5兆円で、日本から海外へのアウトバウンド案件も約2.5倍の11.9兆円だった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券でM&Aアドバイザリー・グループを統括する竜口敦氏はインバウンドの取引について、「同意なき買収提案のケースが積み上がってきたことも影響して、海外の潜在的な買い手はより意欲的になってきている」とし、提案が議論のテーブルに乗るようになり「市場に新たなダイナミズムが生まれている」と指摘する。
同意なき買収提案の最近の事例は、台湾の電子部品大手ヤゲオによる芝浦電子への買収案で、ホワイトナイト(友好的な買収者)としてTOBを提案したミネベアミツミとの攻防が続いている。ニデックが牧野フライス製作所に対して同意なき買収を仕掛けた例もあった。
海外から見た日本の位置づけとしては、グローバルに経営資源の再配分を図る動きが広がり、その中で日本企業が魅力的な買収対象として再評価されているとの見方がある。「日本をあらためてバリューチェーンの中で強化したいという動きもある」と野村証券の新田氏は語る。
プライベートエクイティ(PE)ファンドが関与する案件も多く、米ベインキャピタルによるセブン&アイ・ホールディングス傘下のヨーク・ホールディングス買収もその一例だ。
資本効率向上や経営改革を図る手段として、PEファンドを積極的に取り入れる企業が増加。SMBC日興証券の石丸雄輔・M&Aアドバイザリー副本部長は、「上場企業の非公開化の受け皿という意味で、PEファンドも有力な買い手と見られている」と述べる。
アウトバウンド案件では、ソフトバンクグループなどによる米オープンAIへの約5.9兆円の出資が目を引いた。海外に成長を求める潜在的なニーズは強い一方で、トランプ米政権の関税措置などにより先行き不透明感が増し、「(クロスボーダーの)新規案件の検討がスローになっている」(SMBC日興の石丸氏)との声もある。
三菱モルガンの竜口氏によると、マクロ環境の不透明感が増す中「事業の将来見通しについて買い手と売り手の見方のギャップがより大きくなることがあり、取引条件に合意できないというケースが増える傾向にある」という。
M&A助言ランキングの2位は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券で14兆3700億円、3位はSMBC日興証券を傘下に有する三井住友フィナンシャルグループの12兆0700億円だった。
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