景気支援は中銀主導へ、公的債務拡大で財政余地限定=PIMCO

米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)は6月25日、先進国の公的債務が高水準に膨らみ、政府の支出能力が制限されることで、今後の景気低迷への対応は財政支援よりも中央銀行の利下げに大きく依存する可能性が高いとの見方を示した。2015年8月、ニューポートビーチで撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)
[ニューヨーク 25日 ロイター] - 米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)は25日、先進国の公的債務が高水準に膨らみ、政府の支出能力が制限されることで、今後の景気低迷への対応は財政支援よりも中央銀行の利下げに大きく依存する可能性が高いとの見方を示した。
先進国の債務水準が近く急激に上昇するとはみていないものの、高水準の財政赤字と高金利を背景に債券市場は脆弱な状況が続き、政府は景気後退時に経済を下支えする能力が制限されると予想した。
PIMCOのエコノミストは顧客向けメモで「コロナ禍前の低金利時代は財政余地が十分で、金融政策の余地は限られていた。金利が上昇した現在は財政余地が限られ、金融政策の余地は十分だ」とし、「このため短期金利がより魅力的になる」と指摘した。
PIMCOは今後、債券発行増加に伴い先進国の債券投資家が長期債保有により高い利回りを求めるとし、利回り曲線のスティープ化につながると予想している。
それでも、差し迫った債務危機のリスクは低いと指摘。高い借入水準は市場のボラティリティーを高める可能性があるが、各国政府は最終的に歳出削減や増税を通じて財政赤字に対処するとの見方を示した。