FRB、大手銀行の保有低リスク資産関連資本要件の緩和提案

6月25日、米連邦準備理事会(FRB)は、グローバルなシステム上重要な銀行(GSIB)に適用する米国債などの低リスク資産保有に関する資本要件の緩和提案を公表した。写真は、FRB本部の入り口上部に設置された鷲の像。2013年7月、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Jonathan Ernst)
[ワシントン 25日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は25日、グローバルなシステム上重要な銀行(GSIB)に適用する米国債などの低リスク資産保有に関する資本要件の緩和提案を公表した。
この提案は、新たに就任したボウマン金融監督担当副議長の下で今後進められる見通しの銀行規制緩和に向けた取り組みの第一歩となりそうだ。
今回提案されたのは、銀行が国際金融システムにおいてどれだけ重要な役割を果たしているかと直接関連付けた資本要件とされる「強化補完的レバレッジ比率(eSLR)」の見直し。eSLRは、2008年の金融危機を教訓として導入されたが、次第に銀行活動の足かせになる側面が生じていた。FRBの一部当局者は、eSLRによって特に市場の緊迫度が増した局面で、大手行が米国債市場を機能させる取引を積極化するインセンティブが損なわれかねないと懸念している。
銀行業界からも、eSLRは米国債など低リスク資産の取引円滑化に関与する意欲を鈍らせるなどとして、長らく改革が要望されてきた。
FRBの提案によると、GSIB傘下の預金機関が求められる資本規模は平均で27%(2130億ドル)、持ち株会社は同1.4%(130億ドル)それぞれ減少することになる。
パウエル議長は、過去10年で銀行のバランスシート上で安全資産が増加した点を踏まえると、ルール見直しが「賢明」だとの考えを示した。
ただボウマン氏は、資本手当ての負担が大幅に軽減されても、それによって銀行が株主還元を拡大することは認められないとくぎを刺し、可能になるのは組織内の効率的な資本再配分だと強調した。