米5月新築住宅販売、7カ月ぶり低水準 在庫は07年以来の高水準

米商務省が25日発表した5月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比13.7%減の62万3000戸だった。ワシントンで2022年7月撮影(2025年 ロイター/Sarah Silbiger)
[ワシントン 25日 ロイター] - 米商務省が25日発表した5月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比13.7%減の62万3000戸と、7カ月ぶりの低水準を記録した。減少幅は約3年ぶりの大きさとなった。
ロイターがまとめたエコノミスト予想の69万3000戸を下回った。販売戸数の減少は主に完成住宅において見られた。前年同月比は6.3%減だった。
住宅ローン金利が高止まりする中、市場で売れ残った住宅在庫は4月の50万戸から、5月に50万7000戸に増え、2007年後半以来の高水準となった。
オックスフォード・エコノミクスの米国担当主任エコノミスト、ナンシー・バンデン・ハウテン氏は「住宅建設業者へのインセンティブが新築住宅販売の急激な落ち込みを防ぐ可能性はあるが、住宅ローン金利の高止まりと労働市場の軟化の見通しを踏まえると、今後数カ月の販売に実質的な上昇余地はないとみている」と述べた。
地域別では、南部で21.0%、西部で5.4%、中西部で7.1%、それぞれ減少した一方、北東部では32.1%増加した。
米国の住宅販売に占める新築一戸建ての比率は約15%。4月の販売戸数は72万2000戸と、前回発表の74万3000戸から下方改定された。
5月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は9.8カ月と、22年9月以来の長さとなった。4月は8.3カ月だった。
5月の新築住宅価格の中央値は前年同月比3.0%上昇し、42万6600ドルとなった。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)のデータによると、30年固定住宅ローンの平均金利は5月に7%弱で推移した。
過剰在庫や米関税措置による輸入資材の値上がりを背景に、先週公表された5月の一戸建て住宅建設許可件数は低水準だった。全米住宅建設業者協会(NAHB)が先週発表した6月の住宅建設業者指数も2年半ぶりの水準まで低下した。NAHBは価格引き下げに動く建設業者の割合が増えているとし、25年の一戸建て住宅着工件数は減ると予想している。
住宅建設と販売を含む住宅投資は25年1─3月期に小幅に減少。エコノミストらは4─6月期も縮小基調が続くと見込んでいる。