午後3時のドルは145円前半に下落、中東緊張緩和 米利下げも意識

6月24日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安、円高の145円前半で推移している。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Atsuko Aoyama
[東京 24日 ロイター] -
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安、円高の145円前半で推移している。イランとイスラエルの停戦が伝わり、急上昇していた原油価格が反転し、ドル/円も売りが強まった。米連邦準備理事会(FRB)副議長の発言で、利下げが改めて意識されたことがドル/円の上値を抑えたとの見方も聞かれた。
朝方のトランプ米大統領によるイランとイスラエルの停戦合意発表でドル/円は前日の海外時間からの下げをさらに拡大し、145円後半に下落。その後も午後にかけてじりじりと水準を切り下げる展開となった。
前日は中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰などを背景にドルに買いが集まり、海外時間に対円で一時148円台まで急伸していた。「原油価格の高止まりに伴う需給構造の変化が注目されていたが、ここまで原油価格が下落すると、ドル買い/円売りを入れる必要がなくなった」(国内銀行の為替ディーラー)との声が聞かれた。
中東情勢が緊張緩和に向かい、改めて米連邦準備理事会(FRB)の利下げに対する姿勢が意識されやすいとの見方がある。「イラン・イスラエル情勢がいったん落ち着き、原油価格が急騰することもないとみて、改めて米金利低下をにらんだドル売りのポジションが入りやすくなる」(別の国内銀行のストラテジスト)との声が聞かれた。
きょうはパウエルFRB議長が下院金融サービス委員会で証言する予定。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人・金融市場調査部長は、中東に関するニュースが一巡しても「ドル/円の上値は重いまま」だと指摘。タカ派の筆頭とも言えるボウマンFRB副議長(金融監督担当)が「豹変」したため市場は意識せざるを得ないとし、きょうのパウエル議長の発言への注目度がより高まっているとの見方を示した。
ボウマン副議長は23日、インフレ圧力が抑制されたままであれば、早ければ次回会合で利下げを支持したいという認識を示した。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 145.28/145.33 1.1610/1.1611 168.71/168.73
午前9時現在 145.91/145.93 1.1597/1.1600 169.24/169.25
NY午後5時 146.14/146.18 1.1576/1.1579 169.17/169.26