基調的インフレ指標、5月はまちまち 上昇品目さらに拡大=日銀

6月24日、日銀が発表した5月の基調的なインフレ率を捕捉するための指標は、まちまちとなった。都内の日銀本店で1月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Takahiko Wada
[東京 24日 ロイター] - 日銀が24日に発表した5月の基調的なインフレ率を捕捉するための指標は、まちまちとなった。「刈込平均値」が伸び率を拡大する一方で、「最頻値」は伸びが鈍化した。コメなど原材料価格の上昇分や人件費などの転嫁が続き、上昇品目の比率は一段と高まった。
上昇率分布で上下10%を機械的に除いた「刈込平均値」(2020年基準)は前年比プラス2.5%となり、伸び率は前月を小幅に上回った。引き続き2024年1月以来の上昇率。半面、最も頻度の多い上昇率である「最頻値」はプラス1.6%で、前月のプラス1.8%を下回った。品目のウエートを加味した際の分布で中央の値である「加重中央値」はプラス1.7%で、前月と伸び率は変わらなかった。
5月の上昇品目の比率は81.6%。前月の80.3%を上回り、24年2月以来の高水準。下落品目は13.2%に減少した。
一連の指標は日銀が総務省発表の全国消費者物価指数(CPI)をもとに算出し、毎月発表している。20日に発表された5月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、コアCPI)は前年比3.7%上昇。食料品が主導し、3カ月連続で加速した。