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NY外為市場=ドル上昇、米中通商協議の進展にらみ

2025年06月11日(水)06時01分

終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが上昇した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが上昇した。米中の2回目の閣僚級通商協議が明確な合意に至らないまま2日目を迎えた中、米当局者が双方の貿易交渉は順調に進んでいるとの見方を示したことが材料視された。

協議に参加している米国のラトニック商務長官は、交渉は順調に進んでいるとし、10日夜に終了することを期待していると述べた。ただ、詳細は明らかにしなかった。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、今回の交渉では関税だけではなく輸出規制も問題となっていると指摘。それが互いの交渉の基盤になるとの見方を示した。

マッコーリーのグローバル為替・金利ストラテジスト、ティエリー・ウィズマン氏は「協議で実質的な合意が成立すれば、トレーダーはそれを非常に良いニュースとみなし、リスクを軽減するだろう」と述べた。

こうした中、英雇用関連の指標から労働市場の弱さが示唆されたことから、ポンドは対ドルで0.4%安の1.3496ドルとなった。英国立統計局が発表した2─4月の賃金は前年同期比で伸びが鈍化。失業率は約4年ぶりの高い水準となった。

午後の取引で、ドル/円は0.2%高の144.92円となった。それでも、年初来ではドルは対円で約8.5%下落している。

日銀は16─17日に開かれる金融政策決定会合で政策金利を据え置くとの見方が大勢。植田和男総裁は10日、参院・財政金融委員会で、基調的な物価上昇率がさらに2%に近づいていく、あるいは2%付近で動くとの見通しの確度が高まっていけば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくと述べた。

主要通貨に対するドル指数は小幅上昇し99.087となった。関税措置と貿易摩擦が米国経済に与える影響への懸念から、ドル指数は年初来で8%以上下落している。

一方、ユーロは1.1420ドルと横ばいで推移した。

市場は連邦準備理事会(FRB)が17─18日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くと予想しているほか、年内に25ベーシスポイント(bp)の利下げをほぼ2回行うとの見方を織り込んでいる。   

ドル/円 NY終値 144.83/144.88

始値 144.59

高値 145.04

安値 144.45

ユーロ/ドル NY終値 1.1423/1.1427

始値 1.1423

高値 1.1447

安値 1.1416

ロイター
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