中古車うたった安値販売廃止すべきと中国国営紙、当局の監督強化訴え

6月10日、中国共産党の機関紙、人民日報は、在庫処分のために新車を中古車として大幅値引きして販売する商慣行を廃止すべきだと指摘し、関係当局に監督強化などの対応を求めた。写真は2019年5月、大連港で撮影(2025年 ロイター)
[北京 10日 ロイター] - 中国共産党の機関紙、人民日報は、在庫処分のために新車を中古車として大幅値引きして販売する商慣行を廃止すべきだと指摘し、関係当局に監督強化などの対応を求めた。
5月、長城汽車の魏建軍会長が走行記録がない車が中古車市場で流通していると指摘。商務省はメーカーや業界団体とこの問題を協議した。
商務省は見解を発表していないが、人民日報は、販売実績かさ上げに向けた「偽装された価格引き下げ」を自動車業界「退化」の顕著な例と非難し、「厳しい規制措置」で市場秩序を回復すべきと主張した。
景気や個人消費の低迷で、さまざまな業種にデフレ圧力がかかり、自動車各社は販売目標達成に苦労している。
人民日報は、中古車とうたった安値販売の弊害を列挙。「メーカーにとっては短期的に在庫圧縮につながるものの、利益率を下げ、損失を増やし、製品の品質や技術革新への投資を妨げる」とし、「消費者は、価格面ではお得に見えても、初回購入者特典の喪失、バッテリーの劣化の可能性、転売時の大幅な価値低下などのリスクを抱えることになる」と指摘した。
電気自動車(EV)メーカーについては「データ崇拝」や販売台数競争から脱却し、品質と技術革新に注力する必要があると指摘した。特定の自動車メーカーの名前は挙げていない。
さらに、規制当局が採用すべき対策として、中古車登録の監督強化、車両のライフサイクル追跡システムの確立、登録後すぐに転売する行為を厳格に取り締まることなどを挙げた。