日中欧など、米政権に航空機・部品追加関税見送りを要請

日本や中国、欧州連合(EU)などがトランプ米政権に対し、民間航空機とその部品に追加関税を課さないよう要請したことが分かった。写真はシアトルで4月撮影(2025年 ロイター/David Ryder/File Photo)
[ワシントン 10日 ロイター] - 日本や中国、欧州連合(EU)などがトランプ米政権に対し、民間航空機とその部品に追加関税を課さないよう要請したことが分かった。
米商務省が10日公表した文書によると、世界の航空会社や航空宇宙企業に加え、日中欧、メキシコ、カナダ、スイスの政府が米政権に新たな国家安全保障関税を賦課しないよう求めた。
トランプ政権はすでに、ほぼ全ての航空機と部品に10%の輸入関税を課している。米国は航空分野で年間750億ドルの貿易黒字を計上している。
EUは「EUと米国は、信頼できる貿易パートナーとして、航空機・航空機部品の貿易を強化すべきだ。貿易制限を通じて貿易を妨げるべきでない」と表明。
中国政府も「いかなる国や地域も、外国の競合相手を抑圧することによって、自国の航空機産業の発展を支援すべきではない」と述べた。
また、米航空機メーカーのボーイングは個別に米商務省に提出した文書で、5月に発表された米英の貿易に関する合意を挙げ、「米国は、英国の事例と同様、いかなる貿易協定でも民間航空機とその部品を非関税とすべきだ」と述べた。
エアバス米州部門のロビン・ヘイズ最高経営責任者(CEO)は「現在の米国の航空関税は、国内の商業航空機生産を危険にさらしている」とし「今日、いかなる国においても100%国内産のサプライチェーンを構築することは現実的でも賢明でもない」と表明した。
一方、航空宇宙産業の労働者1万人が加入する全米自動車労組(UAW)は、関税を支持すると表明。国内の航空宇宙産業の雇用が1990年の85万人から2024年に51万人に減少したと主張した。