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中国レアアース規制で自動車生産停止も、米業界団体が警告

2025年06月02日(月)09時53分

 5月30日、世界の自動車業界幹部らは、中国産レアアース(希土類)磁石の不足で数週間内にも自動車工場が閉鎖に追い込まれる可能性があると警鐘を鳴らしている。写真は内モンゴル自治区のバヤン鉱区で2011年7月撮影。提供写真(2025年 ロイター)

[ワシントン 30日 ロイター] - 世界の自動車業界幹部らは、中国産レアアース(希土類)磁石の不足で数週間内にも自動車工場が閉鎖に追い込まれる可能性があると警鐘を鳴らしている。

ゼネラル・モーターズ(GM)やトヨタ自動車などが加盟する米国自動車イノベーション協会(AAI)は9日、トランプ政権への書簡で強い懸念を表明。

「これらの元素や磁石への信頼できるアクセスがなければ、自動車サプライヤーはオートマチックトランスミッション、スロットルボディ、オルタネーター、各種モーター、センサー、シートベルト、スピーカー、ライト、モーター、パワーステアリング、カメラなど重要な部品を生産できなくなる」とした。

また、これら部品がなければ米国の自動車工場が混乱に陥るのは時間の問題だとし、「深刻な場合には生産削減や組立ラインの停止が必要になる可能性もある」と警告した。書簡には米国自動車部品工業会(MEMA)も署名した。

AAIのジョン・ボゼーラ最高経営責任者(CEO)とMEMAのビル・ロングCEOは30日、状況は解決していないとロイターに述べた。

ボゼーラ氏によると、5月にスイスで行われた米中の閣僚協議では自動車問題も議題になった。

グリア米通商代表部(USTR)代表は30日、CNBCに対し、中国は米企業に対する希土類磁石の輸出規制解除に合意したにもかかわらず対応が鈍いと指摘した。

世界の希土類磁石加工能力の9割以上を握る中国は4月上旬、輸出業者に政府の許可取得を義務付ける制限を導入。これを受け、中国からの希土類磁石の輸出は4月に半減した。

ロイター
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