FRB、関税影響見極めに時間的余裕 経済堅調で=アトランタ連銀総裁

米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は3日、堅調な経済を背景に連邦準備理事会(FRB)は関税措置がインフレや経済成長に及ぼす影響を検討する時間があるとの認識を示した。2024年8月撮影(2025年 ロイター/Ann Saphir)
Michael S. Derby
[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は3日、堅調な経済を背景に連邦準備理事会(FRB)は関税措置がインフレや経済成長に及ぼす影響を検討する時間があるとの認識を示した。同時に、年内のいずれかの時点で1回のみの利下げが実施される可能性に引き続き前向きな姿勢を示した。
ボスティック総裁は地区連銀が発表した論文で「金融政策の最善のアプローチは忍耐だと確信し続けている」と強調。「おおむね健全な」経済においては、「不確実性の高まりが雇用と物価に与える影響を見守る余地がある」とし、政策スタンスの調整を急がない姿勢を示した。
また、同総裁は電話会議で記者団に対し、FRBが3月に発表した政策・経済見通しでは、年内の利下げ回数は1回のみだったと指摘。「利下げの余地はまだあると考えている。今後の動向は、不確実性がどのように解消されるかに大きく左右されるだろう」と述べた。
ただ、貿易摩擦を巡る不確実性が完全に解消されても、FRBが今すぐ利下げに踏み切るかどうかは「難しい判断」だとし、現時点での利下げ実施に慎重な姿勢を示した。