ニュース速報
ビジネス

SEC暫定委員長、X買収開示遅れのマスク氏提訴で唯一反対票

2025年03月25日(火)10時17分

3月24日、米証券取引委員会(SEC)が1月にX買収を巡ってイーロン・マスク氏(写真)を証券法違反の疑いで連邦地裁に提訴した事案について、委員5人のうち唯一提訴に反対したのが第2次トランプ政権でSEC暫定委員長を務めている共和党系のマーク・ウエダ氏だったことが、ロイターの取材で分かった。米議会で3月撮影(2025年 ロイター)

Chris Prentice

[ニューヨーク 24日 ロイター] - 米証券取引委員会(SEC)が1月にX買収を巡ってイーロン・マスク氏を証券法違反の疑いで連邦地裁に提訴した事案について、委員5人のうち唯一提訴に反対したのが第2次トランプ政権でSEC暫定委員長を務めている共和党系のマーク・ウエダ氏だったことが、ロイターの取材で分かった。提訴はバイデン政権末期の1月14日だった。

情報筋3人によると、全委員5人のうち共和党系ヘスター・パース氏を含む4人が提訴に賛成票を投じ、反対票はウエダ氏に限られたため、その翌週に提訴に至った。

また、別の情報筋2人によると、ウエダ氏とパース氏はSECがマスク氏に支払わせようとした額(不当利得として推定される1億5000万ドルの返還に罰金を加えたもの)に異議を唱えた。パース氏は最終的に3人の民主党系委員とともに提訴に賛成票を投じた。

法律では、企業の発行済み株式の5%以上を取得した投資家は10日以内にその保有を開示しなければならない。マスク氏が開示したのは2022年4月。これを受けてツイッター株を前日終値比27%急騰させることになった。しかし、SECによると、マスク氏は購入から21日後に開示し、低価格でツイッター株を追加で買うことが可能だった。SECは、マスク氏が最終的に1億5000万ドルの支出を節約できたと判断し、提訴に踏み切った形だ。ツイッターの株主もマスク氏を詐欺罪で提訴した。

複数の情報筋によると、マスク氏の開示遅れが故意だったかどうかを突き止めようとしたSECの方針に加え、マスク氏の非協力的な態度により、調査には時間がかかった。マスク氏は2022年に2回証言することに同意したが、3回目は拒んだため、SECは地裁に対し追加証言を強制するよう求めた。24年10月3日にマスク氏は証言したものの、この事案は大統領選前に決着できなくなった。

マスク氏は、今回の件に関する召喚状に対し4月4日までに対応する必要がある。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 7
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中