ニュース速報
ビジネス

中国1─2月主要指標、小売売上高は伸び加速 鉱工業生産は鈍化

2025年03月17日(月)18時16分

 3月17日、中国国家統計局が発表した1─2月の鉱工業生産は前年同期比5.9%増加した。写真は中国の上海にある工場で12日撮影(2025 ロイター/Nicoco Chan)

Kevin Yao Ellen Zhang

[北京 17日 ロイター] - 中国国家統計局が17日に発表した1─2月の主要経済指標は、小売売上高の伸びが加速し、政策当局の国内消費拡大に向けた取り組みが奏功している兆候を示した。一方、鉱工業生産は伸びが鈍化し、米国の新たな関税により経済に圧力がかかっていることが浮き彫りになった。

保銀投資(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は「経済へのリスクは、中国の輸出品に対する米国の関税引き上げによる打撃で、これは今後数カ月間の貿易統計に表れる見通しだ」と指摘した。

「中国当局は現在の政策スタンスを継続するだろう。現段階では銀行の預金準備率や政策金利を引き下げる緊急性はない」とし、貿易を巡る不確実性を考慮すると利下げを数カ月待つ可能性があるとの見方を示した。

小売売上高は前年比4.0%増で、昨年12月の3.7%増から加速した。2024年11月以来の高い伸びとなった。アナリスト予想も4.0%増だった。

アニメ映画「ナタ2」の記録的なヒットで春節(旧正月)の連休中の支出が増加し、家計消費を押し上げた。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、ティアンチェン・シュー氏は「今回発表されたデータは、経済が依然としてデフレにあるとしても、(今年の)序盤数カ月はまずまずの勢いがあることを示唆している。小売売上高の伸びもまずまずで、家電や携帯電話の販売をサポートする補助金が重要な役割を果たした」と述べた。

ただ、1─2月に自動車販売がすでに減少しており、補助金の効果は「時間の経過とともに薄れていく」可能性があると指摘した。

統計局のデータによると、家電製品とオーディオビジュアル機器の販売は10.9%増加した。12月は39.3%増だった。一方、ケータリングは連休が追い風となり4.3%増と、12月の2.7%増を上回った。

連休中に工場が一時的に閉鎖されたため、鉱工業生産は前年比5.9%増と、12月の6.2%から伸びが鈍化した。ただ、ロイターがまとめたアナリスト26人の予想(5.3%)を上回った。

国家発展改革委員会(発改委)高官は記者会見で、消費者信頼感の弱さを認めた。一方で中国人民銀行(中央銀行)は預金準備率の引き下げなどの措置を通じて十分な流動性を確保する方針を示した。

市場の経済指標への反応は限定的だった。中国株式市場の上海総合指数は0.2%上昇して終了し、人民元は対ドルでほぼ横ばいとなった。

固定資産投資は4.1%増で、アナリスト予想の3.6%増を上回った。2024年は3.2%増加していた。

不動産投資は9.8%減少した。昨年の不動産投資は10.6%減少していた。国家統計局報道官は、住宅市場は安定化の兆しが見られるものの、依然として一定の圧力に直面していると述べた。

中国は春節(旧正月)休暇の影響を平準化するため、1─2月のデータをまとめて発表している。

2月の都市部失業率は5.4%に上昇し、2年ぶりの高水準となり、家計のストレスを浮き彫りにしている。

<第1・四半期GDPは減速か>

ゴールドマン・サックスのアナリストは顧客向けノートで、昨年末の輸出前倒しによる押し上げ効果が一段落し、米国の関税引き上げによる悪影響が出始めた可能性があると指摘。「1─2月の活動データおよび3月初めの高頻度トラッカーは、第1・四半期のGDP(国内総生産)成長モメンタムが昨年第4・四半期比で緩やかに減速することを示している」とした。

キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、ツーチュン・フアン氏は「中国経済は、財政刺激策に後押しされたとみられ、まずまずのスタートを切った。今後数カ月は回復が続くと予想されるが、逆風が大きくなっていることから、目先の改善が長く続くとは考えていない」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

スウォッチ、売上高の好調な勢い強調 25年通期利益

ビジネス

日経平均は反発で寄り付く、円安進行が支え 輸出株上

ビジネス

FRB次期議長指名ウォーシュ氏、金融規制緩和を推進

ワールド

メドベージェフ氏、トランプ氏を称賛 米潜水艦の脅威
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 3
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 6
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    【銘柄】「大戸屋」「木曽路」も株価が上がる...外食…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中