ニュース速報
ビジネス

米国株式市場=急反発、割安銘柄に買い 今週は関税政策で翻弄

2025年03月15日(土)06時13分

米国株式市場は反発して終了した。11日撮影(2025年 ロイター/Shannon Stapleton)

[ニューヨーク 14日 ロイター] - 米国株式市場は反発して終了した。今週はトランプ米大統領が打ち出す関税政策に翻弄(ほんろう)され幅広い銘柄に売りが広がっていたが、この日は割安感が出た銘柄が物色され、主要株価3指数は軒並み底堅く上昇した。

この日はこのところ売り込まれていたハイテク大手が復調。超大型ハイテク7銘柄「マグニフィセント・セブン」の全てが上昇した。

S&P総合500種とナスダック総合のこの日の上昇率は、昨年の米大統領選の翌日に当たる11月6日以来の大きさ。S&P総合500の主要11セクターは全て上昇し、中でもテクノロジー株が3.0%と最も大きく上下げた。

ベアード(ケンタッキー州ルイビル)の投資戦略アナリスト、ロス・メイフィールド氏は「米株価は過去最高値から10%低い水準にあり、売られすぎの状態にあるため、根本的な問題が解決しなくても反発する条件は整っている」と述べた。

ただ、この日は反発したものの、週足ではS&P総合500種とナスダック総合は4週連続で下落した。

今週は2月の消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)でインフレ鈍化が示唆されたものの、市場はトランプ大統領の二転三転する関税政策に翻弄された。

アージェント・キャピタル(ミズーリ州セントルイス)のポートフォリオマネージャー、ジェド・エラーブルック氏は「市場は不確実性を好まない」と指摘。「トランプ氏は混乱を引き起こしている」とし、不安があおられ、経済にも株式市場にも悪影響が及んでいるとの見方を示した。

個別銘柄では、電気自動車(EV)大手テスラが3.9%上昇。主力の多目的スポーツ車(SUV)「モデルY」の廉価版を上海工場で生産すると伝わったことで買いが入った。

半導体大手エヌビディアは5.3%高。ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が来週、GPUテクノロジーカンファレンス(GTC)で行う基調講演が注目されている。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を4.42対1の比率で上回った。ナスダックでも2.95対1の比率で値上がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は146億4000万株。直近20営業日の平均は165億6000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 41488.19 +674.62 +1.65 41057.57 41528.1 40929.5

1 4

前営業日終値 40813.57

ナスダック総合 17754.09 +451.07 +2.61 17523.30 17773.4 17491.0

8 8

前営業日終値 17303.01

S&P総合500種 5638.94 +117.42 +2.13 5563.85 5645.27 5563.85

前営業日終値 5521.52

ダウ輸送株20種 14643.53 +245.85 +1.71

ダウ公共株15種 1010.19 +19.83 +2.00

フィラデルフィア半導体 4598.79 +145.55 +3.27

VIX指数 21.77 -2.89 -11.72

S&P一般消費財 1578.01 +33.11 +2.14

S&P素材 539.41 +7.00 +1.31

S&P工業 1107.38 +20.03 +1.84

S&P主要消費財 866.37 +2.44 +0.28

S&P金融 805.33 +18.12 +2.30

S&P不動産 259.59 +4.68 +1.84

S&Pエネルギー 681.00 +18.61 +2.81

S&Pヘルスケア 1685.82 +12.70 +0.76

S&P通信サービス 329.95 +6.55 +2.03

S&P情報技術 4174.12 +122.88 +3.03

S&P公益事業 398.27 +7.40 +1.89

NYSE出来高 11.58億株

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 37465 + 605 大阪比

シカゴ日経先物6月限 円建て 37360 + 500 大阪比

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

カナダCPI、8月は前年比1.9%上昇 利下げの見

ビジネス

米企業在庫7月は0.2%増、前月から伸び横ばい 売

ワールド

プーチン氏、ロ・ベラルーシの合同軍事演習を視察

ワールド

イスラエル、ガザ地区最大都市ガザ市に地上侵攻 国防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがまさかの「お仕置き」!
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 7
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 8
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 9
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中