ニュース速報
ビジネス

NY市場サマリー(4日)米国株反発、ドル小幅安、利回り低下

2025年02月05日(水)07時14分

<為替>  ニューヨーク外為市場ではドルが小幅安となった。トランプ米大統領が3日にメキシコとカナダに対する関税の発動を1カ月見送ったことを受け、関税の脅しは「交渉戦術」という見方が広がったことが背景。

一方、中国に対する10%の追加関税は4日発動され、中国は対抗措置として、米国からの輸入品に2月10日から最大15%の追加関税を課すと発表した。

アナリストは、関税の動きをにらみ、ボラティリティーの高い状態が続くと見込む。マネックスUSAのFXトレーダー、ヘレン・ギブン氏は「米・中の貿易戦争は足元再燃しているようだ」とし、メキシコやカナダで見られたような交渉の余地が残されているか注視する必要があると述べた。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数<=USD>は0.56%安の107.97。

オフショア人民元は0.23%高の1ドル=7.287元。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが低下した。トランプ米政権の関税政策を巡る不透明感が続き、不安定な取引となった。

中国は4日、米国の対中国追加関税への対抗措置として、米国からの輸入品に2月10日から最大15%の追加関税を課すと発表した。

中国の新関税は2月10日まで発効しないため、中国の政策担当者にはトランプ大統領との合意を目指す時間的余裕が生まれる。

LPLファイナンシャルの主任債券ストラテジスト、ローレンス・ギラム氏は「市場が関税や脅しに慣れるにつれ、今後数四半期は何が実行可能で何が単なる交渉術かという駆け引きが続くだろう」と述べた。

午後の取引では、指標10年国債利回りは前日比2.8ベーシスポイント(bp)低下の4.515%。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式>  米国株式市場は主要3指数が反発して取引を終えた。エネルギー株の上昇に支援されたほか、トランプ大統領がカナダとメキシコへの関税発動を延期したことで、米中貿易問題の打開を巡る楽観的な見方が出ている。

米国は4日、中国からの輸入品に対する10%の追加関税を発動。これを受けて中国は対抗措置として、米国からの輸入品に2月10日から最大15%の追加関税を課すと発表した。

トランプ氏は4日、米中間の貿易戦争が激化する中、中国の習近平国家主席との会談を急いでいないと述べた。

この日はエネルギー株<.SPNY>が買われ、S&P総合500種<.SPX>を押し上げた。一方、公益事業<.SPLRCU>と主要消費財<.SPLRCS>は下落した。

トランプ氏は3日、メキシコとカナダに対する関税の発動を土壇場で見合わせ1カ月の猶予期間を設定した。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米政権の関税政策への警戒感を背景に安全資産としての金買いが入り、続伸した。

中国政府は4日、トランプ米政権による対中追加関税への対抗措置として、米国からの一部輸入品に最大15%の追加関税を課すと明らかにした。実施は今月10日から。具体的には米国から輸入する石炭や天然ガスなどに15%、原油や農業機械、排気量の大きな自動車などに10%の関税を上乗せする。国境を接するカナダとメキシコからの輸入品に対する関税導入を巡っては、不法移民や合成麻薬対策で合意し実行を1カ月延期したものの、これらの国との貿易摩擦が台頭するとの警戒感が拡大。投資家がリスクオフ姿勢を強めたことを受け、金市場に逃避資金が流入し相場は堅調に推移した。

米長期金利の一時低下や、外国為替市場でドルがユーロに対し一時軟化したことも、利 回りを生まず、ドル建てで取引される金の支援材料となった

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米政府による対中追加関税発動を受けた売りが先行したものの、対イラン制裁を巡る警戒感から買い戻され、小幅反落にとどまった。

トランプ米政権は4日、合成麻薬フェンタニルの米国への流入が続いているとして、中国からの輸入品に10%の追加関税を発動。中国政府は対抗措置として、報復関税を10日に発動すると発表した。中国は米国から輸入される石炭と天然ガスに15%、原油などには10%の追加関税を課す。米高官らは、両国首脳が「近く」電話協議すると言及したが具体的な予定は明らかにされておらず、米中の貿易摩擦の激化を招くとの警戒感が再燃した。エネルギー需要鈍化懸念も広がる中、相場は下げ足を速め、一時3%超下落、70ドル割れを試す展開となった。

しかし、トランプ大統領が対イラン制裁を強化する意向との報道をきっかけに、売りの流れは反転。中東産原油の供給不安や地政学リスクの高まりへの懸念が浮上し、買い戻しが活発になり、朝方の下げ幅の大部分を縮小した。ロイターが米当局者の話として伝 えたところによると、トランプ氏は4日、イランに対する「最大限の圧力」を加える政策を改めて発動するため、大統領令に署名する見通しという。トランプ氏は政権1期目、核 合意離脱やイラン産原油禁輸などの政策を打ち出していた。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 154.33/154.

35

始値 155.3

高値 155.39

安値 154.18

ユーロ/ドル NY終値 1.0377/1.03

81

始値 1.0322

高値 1.0387

安値 1.0321

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 96*02.5 4.7470

0 %

前営業日終値 95*22.5 4.7710

0 %

10年債(指標銘柄) 17時04分 97*30.0 4.5126

0 %

前営業日終値 97*22.5 4.5430

0 %

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*22.2 4.3184

5 %

前営業日終値 99*17.0 4.3550

0 %

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*26.5 4.2158

0 %

前営業日終値 99*23.5 4.2650

0 %

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 44556.04 +134.13 +0.30

前営業日終値 44421.91

ナスダック総合 19654.02 +262.06 +1.35

前営業日終値 19391.96

S&P総合500種 6037.88 +43.31 +0.72

前営業日終値 5994.57

COMEX金 4月限 2875.8 +18.7

前営業日終値 2857.1

COMEX銀 3月限 3302.2 +49.6

前営業日終値 3252.6

北海ブレント 4月限 76.20 +0.24

前営業日終値 75.96

米WTI先物 3月限 72.70 ‐0.46

前営業日終値 73.16

CRB商品指数 309.3047 +0.3904

前営業日終値 308.9143

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:変わる消費、百貨店が適応模索 インバウン

ビジネス

世界株式指標、来年半ばまでに約5%上昇へ=シティグ

ビジネス

良品計画、25年8月期の営業益予想を700億円へ上

ビジネス

再送-SBI新生銀行、東京証券取引所への再上場を申
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 6
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 10
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中