ＦＴＸの破産処理計画承認、全額弁済可能に 最大165億ドル回収

　１０月７日、米破産裁判所は経営破綻した暗号資産（仮想通貨）交換業者ＦＴＸの破産処理計画を承認した。写真は同社のロゴ。昨年３月撮影（２０２４年　ロイター/Dado Ruvic）

Dietrich Knauth

[ニューヨーク ７日 ロイター] - 米破産裁判所は７日、経営破綻した暗号資産（仮想通貨）交換業者ＦＴＸの破産処理計画を承認した。これにより、回収された最大１６５億ドルの資産を使って顧客に全額弁済できるようになる。

ＦＴＸは、預り資産５万ドル以下の顧客への返金を計画発効日から６０日以内に実行する。これは顧客全体の９８％に当たる。発効日はまだ未定だ。

債権者への弁済可能額を１４７億─１６５億ドルと見積もっていた。同社が破産を申請した２０２２年１１月時点の口座価値の少なくとも１１８％に当たり、返金に十分な額となる。

破綻の混乱時に行方不明となっていた現金や暗号資産を回収することができたという。また、投資していた人工知能（ＡＩ）関連新興企業アンスロピックを含む資産を売却することで追加資金を調達した。

ＦＴＸは、創業者サム・バンクマンフリード被告が自身のヘッジファンドによる高リスクの賭けの返済のために顧客資金を持ち出したと報じられたことを受けて破綻。同被告は３月にＦＴＸ顧客に対する窃盗で禁錮２５年の判決を受け、現在控訴している。