eTroが米で大半の暗号資産取引から撤退、SECと和解
9月12日、米証券取引委員会(SEC)は個人投資家向けプラットフォーム運営会社「eTro(イートロ)」が米国の顧客向けのほぼ全ての暗号資産(仮想通貨)取引から撤退することに同意したと発表した。写真は仮想通貨のイメージ。2022年8月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)
Hannah Lang
[12日 ロイター] - 米証券取引委員会(SEC)は12日、個人投資家向けプラットフォーム運営会社「eTro(イートロ)」が米国の顧客向けのほぼ全ての暗号資産(仮想通貨)取引から撤退することに同意したと発表した。暗号資産取引に関してブローカーと清算機関の業務を無登録で行ったとされる問題で150万ドルの制裁金処分も受け入れた。
SECによると、イートロは少なくとも2020年以降、証券とみなされる暗号資産の取引機会を米国の顧客に提供していたが、連邦証券法で決められた登録手続きを守っていなかった。
イートロはSECのこの判断を否定も肯定もしていない。一連の和解事項は、米国の顧客のみに適用される。
同社のヨニ・アシア最高経営責任者(CEO)は声明で、SECとの和解によって「当社の多様な米国事業に関連する革新的な商品を提供することに専念」できると強調。暗号資産をいち早く取り入れた世界的なパイオニアとして、また規制証券分野での重要なプレーヤーとして法令に従い、世界中の当局と緊密に連携することが重要だと付け加えた。
今後米国の顧客がイートロで取引できる暗号資産はビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサに限られる。
SECの法執行部門責任者を務めるガーバー・グレワル氏は「イートロはプラットフォームから投資契約として提供するトークンを一掃することで、われわれの規制体系の枠内で営業する道を選んだ。これは投資家保護を強化するだけでなく、他の暗号資産仲介業者にとって道筋をつけることになる」と述べた。
これまでSECは大半の仮想通貨トークンを証券と位置づけ、登録ルールの対象になると主張してきたのに対して、多くの暗号資産事業者は異を唱え、SECの越権行為だと反発している。