ニュース速報
ビジネス

再送日産、米国不振で今期利益を下方修正 4─6月期は99%減益

2024年07月25日(木)17時51分

 7月25日、日産自動車は2025年3月期通期の連結営業利益予想を下方修正した。従来予想の6000億円から5000億円に引き下げた。修正後の予想はIBESがまとめたアナリスト15人の予想平均値は5739億円を下回る。2019年2月撮影(2024年 ロイター/Phil Noble)

(見出しを修正しました)

By Maki Shiraki

[東京 25日 ロイター] - 日産自動車は25日、2025年3月期通期の連結営業利益予想を下方修正した。米国販売の不振で第1・四半期(4─6月期)が前年同期から99%減益となり、在庫の適正化で販売費用がかさむことから通期予想を従来の6000億円から5000億円に引き下げた。IBESがまとめたアナリスト15人の事前予想の平均値5739億円を下回った。

通期の連結純利益予想は3800億円から3000億円に下方修正した。世界の販売計画も、前回予想の370万台から365万台に引き下げた。中国を80万台から77万台へ、北米を143万台から141万台にそれぞれ下振れる。

会見した内田誠社長は、「第1・四半期は日産にとって非常に厳しい結果になったが、課題に対して明確な対策を打ち、新型車の投入を進めることで業績を回復していく」と語った。

第1・四半期の連結営業利益は9億円と、前年同期の1285億円から99%減少した。モデルイヤーの切り替え時期の遅れなどで米国販売が振るわず、在庫が想定以上に増加。特にスポーツ多目的車(SUV)「ローグ」が予定の販売台数を達成できず、「収益を圧迫することになってしまった」(内田社長)という。

米国ではハイブリッド車(HV)の需要が高まっているが、トヨタ自動車やホンダなどと違い、日産は同国でHVの車種を販売していない。26年度中にエンジンで発電し、モーターのみで走行する独自のHVシステム搭載車を米国に投入する予定で、内田社長は投入時期前倒しの可能性も問われたが、明言を避けた。

かねてから不振の中国市場に関しては「非常に厳しい状況が続いており、楽観視できない」と指摘。現地パートナー企業と固定費の最適化の議論を継続中とした。

通期の想定為替レートは1ドル=155円(従来は145円)、1ユーロ=167円(同157円)にそれぞれ円安方向に見直した。

スティーブン・マー最高財務責任者(CFO)は会見で、通期業績予想の下方修正を決めた数日前は「1ドル=155円で安定していた」と説明。足元では円高が進んでいるが、153円や152円の水準でも「今の業績予想は達成可能だ」と語った。

このほか、内田社長はホンダと検討を進めている協業について、「非常に良い進ちょくをみせている」と述べた。ソフトウエアやEV部品など、相互に補完できる領域で「具体性を持った検討の段階に入っている」と語った。

(白木真紀 編集:久保信博)

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

「経済あっての財政」が基本、戦略的に財政出動 高市

ワールド

英財務相、所得税引き上げ検討 財政赤字削減で=ガー

ビジネス

米パラマウント、ワーナー・ブラザーズ買収で最有力か

ワールド

金価格10週ぶり下落へ、ドル高重し 米CPI控えポ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 3
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼稚園をロシアが攻撃 「惨劇の様子」を捉えた映像が話題に
  • 4
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 5
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 6
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 7
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 8
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 9
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 10
    「石炭の時代は終わった」南アジア4カ国で進む、知ら…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 9
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 10
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中